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知っている花言葉を全部黒板に書きだして 今夜は先生とふたりきり また銀河の話をするなんて 先生はカシオペヤ座について本当は 何も知らないと言うんだ 僕は驚きもせず 白い夜汽車の機関室の赤い炉にくべる 石炭の量をスコップで計っている 君は悩みがあるって言っていたね カミュの異邦人の主人公が どうしてアラビア人を殺すことに なってしまったのかなんて話 聞きたくない訳だよね こうしてティーバッグ を浸したカップの中に 数滴ウィスキーを垂らすんだよ 僕は目を見開いて感心する 数滴の滴は敵の敵とは随分違うんですねえ先生 そうだよ敵なんてどこにでもいてね ほらこれを読んでごらんよこの中にもいる そう言って先生は薄い小冊子を手渡した 僕はそれを読む 美しい星はみな美しく汚れ 花はそれでも鮮やかに咲きほこる その陳腐な一節を取り上げて 褒めるのは失礼だろうか これが本当の敵というものかもしれない ティーバッグの紅茶をすする 先生のそこはいつも夜だったのだろうか 僕は帰れなくなった窓から 白い機関車が走り去るのを見ている 星がまたぬるいウィスキーのように またたきはじめる
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