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そのとき ぐしゃりと 私の胸で音を立てて激しく潰れた 差し込まれたのは誰の手だったのだろう そして潰れたものは ひとしきり噴き出し 頬や肩や腿はしとど浴びて 思いがけず舌を薄甘く濡らしたそれは 清水に晒された果実の蜜に似て 皮膜めいた抜け殻が くしゃくしゃになって転がっている それを 捨てることも しまうことも 触れることもできず 眼を反らせないでいた みるみるうちに干からびるのだろう せめて燃やしてしまおうか 灰や煙になって舞い上がり 空へ溶けてゆくのを見送って 私の舌を濡らしたように薄甘く広がってゆくだろう 存在の空白 たとえば 痛まない傷みというものももう知っているから 空白が宿す仄甘さをこの手で握り潰す
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