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左肩を左壁に押しつけて くたばってしまえ 打ち寄せて来いと うたいつづけているのだ 左肩の血で壁に絵を 描いているのだ 猫のように餅のように 鳴いているのだ わたしには茶の薄墨 呑むための呑むための茶の薄墨なのだ ひらけば花の火 夜に課す線 分かれては在り 5597日間 雨の音は刺す 雨の音は刺す 口々に 口々になおけだものよ つながりを胸に引きちぎり 腹に結びゆくけだものよ 蒼よ氷よ氷よ蒼よ 冬にひとこと言いたいのなら 冬の底まで降り来るがいい そのままの痛みを知るがいい 水に折られる骨の音ひびき 水のまま水を抜け水底に着き 何も無く何も無くすべて在り 空を空に削りつづける わたしはわたしを赦さない だからあなたはあなたで知らない 口も鼻も勝手に話す だから勝手にうたってもいい おまえよおまえ つるりとおまえ かかと肛門 はざまはざま 受けては応え 闇は染み入る 崩波 崩波 幽霊の地図 おまえが空けた 右側の熱 水底に積もるものを見ている 音をたてる 光とけるたび 音をたてる 千年の洞が 千年の洞を欠くときの 岩の音を聴くがいい 名の無いものの目を射るがいい そんなにも花がほしいのか 空をつらぬく火が見えないか 雪をかきあつめかきあつめ 鳥の居場所がないほどに積み 崩れても穢れても 通り 歩むものはある 少しだけ腹を夜へ持ち上げ 未だ来ぬものへ未だ来ぬものを晒しつづける
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