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掃除婦は 寂しくなんてありません 一面に散らかった紙吹雪の 飛んでいたところは知りません 薄暗いその部屋は 気怠さの跡だけがだらしなく 毛羽立った瑕だらけの床に ぽつりとこぼれた濁りなんて よくよく見ないうちにひと拭いすれば 息の詰まるような歓びも ピリピリとした悲しみも 無かったようにたちまち消える だからたぶん わたしたちが生まれたのは お祭りが終わった次の朝 秋のはじまりに 友達と友達と 三人で抱き合って風を嗅ぎました 蝉の抜け殻が 重そうに揺れるあの庭木 病んだ人が脱走して みんな白い服を着て 笑いながら探していました 何もかもおだやかだったのです 本当はやりたかったなんて 忘れてもいいくらいに 花嫁の色は よれて黄色ばんだ白なんです 前立腺のことは 後回しでいいんです そっと息を殺し 黒々と欲望の字を書いて 二つのお尻が 浮かび上がるのを うっとりと待てばよかった 音楽を聴いて 街を彷徨って 深夜のテレビで顔を焼いて 性病の名前は言えないのに 何も残せないことが 震えるほど恐ろしくて あの頃の わたしたちは 正気のまま 全てを壊してしまう 神様のこども 庭にはたぶんベンチ 色褪せた思い出には ひとさじの甘い不安
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