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雨が光になるときに 置いてゆく穂は十の色 水銀の譜の散る窓に まぼろしのかたちが来ては去る 爆ぜては透る 限りある音 色の速さを あおぎ見る色 海を知らず 海へ向かう 滴がまたたき 片目を閉じる 雨がはおる雨の色 音の後に見ひらくもの 双つのかたちを水はめぐる 蒼の終わりの白へ白へ 熱はこぼれ 高まってゆく 空の逆さへ逆さへ響く これしか色がありません ええ 無量でいいのです すべての生きものの入口に ある日ふいに立つのです 手のひらに沈む珠の行方 まぶたの内をただ聴いている はじまりのかたち 肉のかたち おぼえていない光のかたち 脱ぎ捨てた衣が標となり 原をすぎる陽にたなびいている 穂の滴を見つめる蝶 無数の自身に動けない蝶 那由他は那由他の那由他に分かれ 硝子の巣から飛び立つ硝子 影は直ぐの迷路を歩む 霧と霧のはざまを歩む 失くしたひとつに気付かぬまま ずっとお手玉をしていました 空が空へ揺れています 渡すものも無く 明けています 原のなかを 道は羽ばたく 白みはじめた地の底から 常に常にはじまりは吹く
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