投稿日06/11 18:31
｢前向き運転｣
浅尾
昨年末から自動車教習所に通っている。
今月中には全ての課程を終えて卒業する予定だ。
操作の流れを覚えることが苦手なくせにマニュアル免許を選択したもんだから、慣れるまでに相当苦戦した。
教官が優しい人でなければどこかで行き倒れ状態になっていたかもしれない。
この教官だが、大学に入ってから出会った人の中で5本の指に余裕で入るほど素晴らしい人だった。
嫌みなところがまったく無く、エネルギッシュで聞き上手な人だ。
会話の中で自分の経験談を語ることの多い人だが、その話を聞いていても自己中な印象を受けることがない。
こちらが話せば質問を投げかけてくれるし、共感もしてくれる。
こんな会話の出来る大人になりたい。
そう思えるほどの人だった。
卒業したらこんな明るく爽やかな会話をすることもなくなるのだなと思うと、少し寂しい。
バイきんぐのコントで、教習所の卒業生が再び教官と会う話があるが、それに出てくる卒業生は｢先生からは車の運転以外のことも沢山教わりました｣と語る。
対して教官役は｢気のせいだよ、ここで車の運転以外の何を教えるんだよ｣と突っ込むが、私の場合も運転以外のことをちょっとだけ学んだ気がする。
企業に落とされ続けてもあまり気にしないこと。
人の話に興味を持つこと。
力みすぎず肩の力を抜いて前向きに生きていくこと。
教官から教わるべきことはもちろん安全な運転の仕方で、それ以上のものはないのだろう。
ここまで考える私を友達は多分ちょっと気味悪がると思う。
それでも、車内で交わした息抜きの会話のいくつかが、就活で肩と頭の凝り固まった私をどれほど前向きにさせてくれたか。
安全な運転と前向きに進んでいくこと。
このふたつを忘れずこれからも生きていきたい。
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