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[1] 《海鳥のスカイ》
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お前に会いに此処へ来たんだ
あいにく金なら無いが
お前が心底欲しがってるものなら
おれが死ぬほど与えてやるぜ
死んで生まれ変わって
また死んじまうくらいにな

お前に会いに此処へ来たんだ
とにかく酔いたいんなら
残酷な湖ごと呑んじまえよ
太陽は最初から飛ばし過ぎて
ご自慢のフレアを星に絡ませながら
暗い空の向こう側へと
自ら転がり落ちていったのさ

お前に会いに此処へ来たんだ
満月になると女どもは
稲妻から産まれた子どもを町中連れまわすのさ
それに驚いたドードーが
背後から俺にくちばしで一撃
おかげで後頭部にはお手軽な聖痕
脳みそと一緒に内宇宙まで流れ出たんだ
暗黒物質ってやつは
憂うつに溶け出したペチュニアみたいだな
銀の指で掬って舐めてみたら
フィラデルフィアで遭遇した大聖人の
神聖なよだれみたいな味だったぜ

お前に会いに此処へ来たんだ
真夜中に覚束ない手で
締め付けられた胸の奥深くにある
フロントホックが外されると
おれはどうしても
そこから目が離せなくなる
二つの感情の膨らみが
目の前で揺れているからな

お前に会いに此処へ来たんだ
うまく言葉も見つからない
こんな紙くずみたいな夜には
知らない言語で思いっ切り叫ぶといいぜ
精神の殴り書きなんて
お前にはお手のものだろう

お前に会いに此処へ来たんだ
馬鹿でかい剃刀が宙を舞い
町中の電柱を一つ残らず剃り落とす
お前はいま地球の顎にいるんだぜ
ひりひりするような感触と刺激を
誰もが窪地でずっと待ちわびてるのさ

お前に会いに此処へ来たんだ
フリークラウドから来た海鳥のスカイは
自ら望んで56個の缶詰になっちまった
スカイの目玉ときたら
想像する未来を缶の中で一晩中眺め続け
腹の缶詰はぱんぱんに膨らみすぎて
今にも破裂しそうだぜ
翼の詰まった缶詰からは
羽根が規則正しく飛び出して
まるでひなぎくのような美しさだ

お前に会いに此処へ来たんだ
誰かのブーツだけが
隣町からゆっくりと歩いてきたぜ
怯えたドロシーは覚えたての魔法で
おかしな案山子をお菓子に変えちまった
だが頭の良い蟻たちは
全部喰わずに少しだけ残しておくのさ

お前に会いに此処へ来たんだ
こんなにも長くてデタラメな詩を
陽気なフォーラムの連中が
真面目に最後まで読むとは思えない

お前に会いに此処へ来たんだ
何となく会いに来たんだよ
本当にそれだけさ




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