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 ズボラな君
© のっち 
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 R指定:無し
 キーワード:同棲・サラリーマンとデザイナー・へたれ攻め・ツンデレ
 あらすじ:出張から帰ってきたミヤは同棲してるタケが自分がいない間にやつれたのをみて……みたいな感じです。突発投稿です。
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ズボラな君


出張から帰った俺は、玄関から中にはいってリビングで硬直した。
見渡す限りの衣類、正直言って泥棒でもきたみたいだった。
そのなかに、ここ数日ずっと会いたかった奴が埋もれてた。


「………タケ」

思わず目が据わる。
俺はゆっくり、衣類を足でけりながら進んだ。

「おかえりなさい、ミヤさんー」

へら、と笑ったその頬はこけてる。

「なんだ、この部屋は」

口調が思わず荒くなる。

「おかしいっすか?」

飄々としたその言葉に、その瞬間俺はキレた。

「はぁ!?何いってんだ!
 どうして俺がいなかっただけでここまで汚れんだよ!
 足つけねぇじゃねぇか!
 しかも何お前、そんなヤツレてんだよ!」

俺は一気にいいきって肩で息をする。
はぁ、はぁ、おさまんねぇ畜生。
部屋なんか本当はどうでもいい。
肩づけられるし、大丈夫だ。
俺が怒ってるのは…

「…ちゃんとしろよ、マジで」

俺がいない間にすっかりやつれたこのバカ男にだ。
俺の肩が落ちる。
一気に、がくりと。
うなだれた俺に気がついて、あわてたタケは起き上がって俺の顔を覗き込んだ。

「うわ、その、…すんません、ミヤさん…
 ……こんな長い間、ミヤさんと離れてるなんて初めて、で。
 俺。
 …やる気でなくて。
 すんません、ミヤさん、泣かないで」





…いつの間にか、頬を伝い落ちていた俺の涙に、そのとき初めて気がついた。


「ざけんなよ、マジで…

 やめてくれよ、本当に、こういうのマジやめろ、お前」


同居を始める前、こいつは本当にズボラで。
メシもろくに食わないで遊んでばっかで。
俺がここに居座って、こいつにメシつくっやって掃除してやって。
そうやって暮らしてた。
だけど何気にコイツ、高給取りのデザイナー(うそ臭い)だったりする。

最初に告ってきたのはコイツ。
でも多分、今のぼせてるのは俺。
だけど口が悪い俺は、素直に言えなくて。
いつも毒ばかりはいてる。
ソレを全部許してくれるこいつの隣は本当に心地よくて。世話を焼くのも楽しくて。

ぼさぼさのそいつの頭を撫でる。
髭だらけの顔に頬をつけて、

「なぁ、頼むから。
 そんな風になるなよ」

つぶやくように言った。

声が震える。
怖い、そう思う。

目の前で何度も人が死ぬのを見てきた。
大事な人も、知り合いも、たくさん。
だから臆病になる。
怖くて怖くて、逃げたくなるんだ。

「死んだら葬式なんか挙げてやんねーかんな。
 一生うらんでやる」

俺の言葉だけが部屋に響く。

「ごめん、ミヤさん。…ごめん。

 帰ってきてくれてありがとう



 おかえり、ミヤさん。大好き」






本当お前はずるい。
そんな言葉で俺の不安を一気に吹き飛ばす。

お前は今目の前で生きてるんだなぁって俺に思わせる。

ずるい、本当にずるい。

だけど…嬉しい。



「今度やったら一週間エッチなしだコノヤロウ」

思いっきり頭叩いてやったら、

「えぇぇぇっ」

死にそうな顔しやがった。


…ふん。

「天誅」

俺はそれだけ言うと、思いっきりタケを押しのけて部屋を掃除し始めた。

なぁ、タケ。
一緒にいれるのって当たり前じゃねぇんだよ。
だから、お前も。

「ちゃんとお前はお前のことして、俺の帰り待ってろよ。
 こんな汚かったらヤれねぇだろ?」

なぁ?相棒。

メシ食って家きれいにして待ってろよ。
それとお前も綺麗にして、な。


END


まとまんなくてごめんなさい…でも愉しくかけました(笑)







2007/03/21
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