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先 輩
R指定:無し
キーワード:先輩×後輩・卒業・告白
あらすじ:卒業を目前にした大好きな先輩に告白されて・・
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もうすぐ卒業式・・・・・
僕は・・・・・・先輩が好きだった・・・・
「せんぱーいっ!!先輩!!。」
「よぉ。美佳ちゃん」
元生徒会長の僕の先輩。
「もぉ!美佳ちゃんって止めて下さいよ。僕その名前嫌いなんですからっ!」
「そうか?お前に似合ってると思うぞ?」
頭を撫でる大きな手が好き。優しく笑う目が好き。
僕は・・・・先輩が好き・・・・・
僕が1年の時に生徒会に立候補して書記になることが出来た。書記はもともと立候補者が僕しか居なくて、すんなり決まった。
生徒会長は立候補者が3人と言う激戦。
でも先生の信頼も厚くて、生徒には人気がある。絶対、先輩が受かるって分かってた。
だから・・・僕も生徒会に入った。近づきたい。傍にいたい。
楽しかった。凄く。先輩と一緒に居るだけで面倒な仕事だって一生懸命した。少しでも長い時間一緒にいようと思った。進級して先輩は3年になり僕は2年になった。
生徒会長の任を降りた先輩は受験勉強が忙しくなった。
そしてもうすぐ卒業。
・・・・時間がない
放課後の3年の教室。
自由登校になった3年はまだ就職や大学が決まっていないもの以外殆ど姿を見ることもなかった。
昼休みに先輩が登校してくるの見て、僕は居ても立っても居られなくなった。昼休みに先輩を捕まえて、何時まで居るのか聞いた。
放課後まで居ると言うので、僕は5・6時間目をソワソワと落ち着かず過ごしていた。
無駄に長いホームルームを終え、鞄を引っ手繰り、3年の教室に向かった。
「先輩?今日は何しに来たんですか?」
「何だよその言いかたっ。俺が来ちゃダメか?」
自分の席に座る先輩。先輩の机を挟んで僕が座る。
オレンジ色に傾いた太陽が先輩の顔と僕の顔を染めた。
「忘れ物をな・・・取りに。」
「忘れ物?」
窓の外を見る先輩の横顔はとても寂しそうだった。
「何を忘れたんですか?」
「ん・・・・まだ・・・見つからない。」
のんびりと肩肘をついて外を眺める。
「え?じゃぁ探さないと。」
「手伝ってくれるか?美佳。」
美佳。初めて呼び捨てにされた。
正直・・・ドキドキした。
女みたいで嫌いな名前なのに。先輩に呼ばれると特別な名前に思えてきた。
「手伝いますよ。先輩。」
「じゃ・・・・目つぶって?」
手伝うのに目をつぶるとか意味が分からない。
「ん?」
「いいから。」
言われた通りに目をつぶる。
キスされる時みたいでドキドキする。
「んぅっ!!」
抱きすくめられて、唇を塞がれた。
思わず目を見開いてしまった。
「美佳・・・目閉じてろって言っただろ?」
呆然とする僕。
本当は少し期待した。目を閉じるなてキス以外何をするのだろうと思った。
実際されると胸が張り裂けそうになった。
「・・・・美佳。ごめん。でも忘れ物だから・・・」
先輩は力いっぱい僕を抱きしめると、呆然とする僕を置いて教室を出て行こうとした。
「先輩・・・・・」
「・・・・・」
呼びとめる僕の声に先輩は振り向かない。
「見つけるだけ?・・・・・・・拾ってくれないの?」
「美佳?」
涙が出た。
嬉しくて。
「僕・・・先輩が・・・好きです・・・」
ずっと言いたかった。『好き』って。
でも・・・先輩に軽蔑されるくらいならって思ってた。
男の人を好きになるなんて、許されない恋。
楽しかったけど・・・苦しかった。
「美佳・・・・そんな事言って良いのか?俺は・・・男なんだぞ?普通の世界に戻してやることなんてできないんだぞ?」
先輩も怖かったんだ・・・僕と一緒だ。
「いい・・・先輩だから。一緒ならいい」
「みかっ・・・・美佳ッ!!」
ガタガタッ!!
「先輩ッ!!僕。嬉しかった。・・・ひっく・・・先輩好きだからっ・・・ふっ・・・」
先輩は机を蹴散らし、僕を押し倒した。
「俺もだ・・美佳。・・・・生徒会に入ってからずっと見てた。」
僕の顔の両脇に肘をついて、先輩がそっと唇を近づけてきた。
僕はまた目を閉じた。
2007/04/19
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