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 出逢い―拓海編―
© 桜良 
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 あらすじ:拓海と蓮路の出会い
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―拓海編―


それは1年前の事。



一目惚れだったんだ。


ラフな格好で、2人の男と蓮路さんはオレのバイト先の居酒屋へやってきた。

だから最初蓮路さんは同じ大学生なんだと思ったのだ。


何回か料理を持っていって、聞こえる会話を総合して蓮路さんが彼らと同じ年で同級生なのを知った。

レンジという名前もわかった。
どんな字を書くんだろうと思った。

3人が会計へとレジに立つ。

また来てくれるだろうか?
来なかったら蓮路さんとはこれっきりだ。

会計を済ませた3人が外へ出る。

俺は蓮路さんを追っていた。


「あのっ!」
3人が振り返る。

オレは蓮路さんの前で立ち止まる。

「何?」
蓮路さんが見上げてくる。
今初めて蓮路さんの瞳にまともにオレが映ったんじゃないかと。

両手を広げて、蓮路さんを抱き締めていた。

「てめぇ、何しやがる」
すっとオレの腕から抜け、気付いた時には蓮路さんの右ストレートが決まっていた。

「何、こいつ」
「さっきの居酒屋の店員だな」
蓮路さんの連れの1人が言った。

「レンジさん、好きです」
蓮路さんは驚いた顔を向けてきた。

オレだって自分の行動がわかんねぇよ!
自分に驚いてる。

「で?」
「え?」
ちょっと呆れたようにオレを見て、ため息をついた。
「それだけ?」
蓮路さんが何を言わせたいのかわからなかった。

「お前の名前!」

あ、名乗る前にコクっちゃったんだった。

「拓海。鬼塚拓海です」
「鬼塚君、大学生?」
「はい」
「ふうん。鬼塚君、AQUAってゆーヘアーサロン知ってる?」
「アクア?」
拓海は首を振った。

「ここの最寄り駅から徒歩3分。駅向こうにあるサロンだ。髪、切りに来い。お前が俺好みになったら考えてやるよ」

蓮路さんは、名刺を1枚くれた。
そこに書かれた名前は、『タキ』。

「タキ?」
「店用の名前」
蓮路さんはオレの手の中にあった名刺に、書きにくそうに、『タキ』の横に本名を書いた。

瀧川蓮路、と。



これが、オレと蓮路さんの出会い。

まさかその1年後、蓮路さんの双子の兄貴に、同じように、右ストレートをお見舞いされるなんて思わなかったけどね。

や、だってね? ふつー思わないでしょ、双子だなんて。
しかも、それを予測するなんて。

不可抗力だ、よね?



――――――――

まさかその1年後、蓮路さんの双子の兄貴に、同じように、右ストレートをお見舞いされるなんて思わなかったけどね。

って件は、本編読んだほうがわかりやすいかも……。







2007/06/03
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