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出逢い―蓮路編―
R指定:---
キーワード:ほのぼの、年の差、
あらすじ:拓海と蓮路の出会い
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―蓮路編―
初めて拓海と会ったのは、26歳になったばかりの頃。
親友2人が、誕生日おめでとうとしょうして呑みに誘ってくれた。
中学からの付き合いの昴と新(アラタ)。
俺の勤めるヘアーサロンから近い居酒屋。
1度入ってみたかった。雰囲気が俺好みでさ。
そこに、拓海はいた。
まぁ、だからって客と店員。拓海は、拓海からの告白まで、俺にとってただの店員だった。
ただ、拓海の髪型に眉をひそめたけれどな。
本人はカッコつけているつもりかわからない。
けど、俺からしたら変だった。
いわゆる無造作ヘア。それ自体はいい。ただ似合ってない。
せっかく顔が良いんだから、その顔と服装に合わせろ、そんな感じだった。
合ってないから変なんだ。
拓海が料理を運んで来る度、そんな事を考えていた。
それで拓海の告白だ。
ま、びっくりはしたよ? 男からされたのは初めてだっから。
昴や新と違ってノーマルだったし。
昴と新のおかげで男同士の偏見はなかった。
「レンジさん、好きです」
まず思ったのが、なんで名前知ってんだと。
けどすぐ、拓海がいる時、新が俺の名前を呼んでたなと。
「で?」
「え?」
「それだけ?」
告白したいだけなのか、付き合いたいのかはっきりしなかった。
「お前の名前!」
けどその前に、誰だよ、お前。
「拓海。鬼塚拓海です」
「鬼塚君、大学生?」
「はい」
「ふうん。鬼塚君、AQUAってゆーヘアーサロン知ってる?」
「アクア?」
拓海は首を振った。
そうだろうな、髪型に頓着なさそうだ。
「ここの最寄り駅から徒歩3分。駅向こうにあるサロンだ。髪、切りに来い。お前が俺好みになったら考えてやるよ」
名刺を1枚くれてやる。
「タキ?」
「店用の名前」
拓海が持っている名刺の『タキ』の名の横に、胸ポケットにあったボールペンで、瀧川蓮路と書いた。
髪を切った拓海は様変わりした。
一歩、俺好みに近づいた。
服装まで俺好みになっていく拓海。
拓海は、知り合いから友達、年の離れた親友、と俺の中でもうスピードで駆け抜け、2ヶ月後、恋人へと昇格した。
2007/06/03
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