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 愉
© すばる劇場 
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 R指定:有り
   あらすじ:愉:ゆ、たのしい
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『注文の多い料理店』ならぬ質問の多い病院だ。
仕事は―フリーターデス。
独身か―ハイ。
身内は―イマセン。
恋人は―ハハ、募集中デス。
此等の答えが病気に関係するのか。急に発疹ができ金の無い身ながらツケがきくという話を聞きやってきたのだが。
「幾らかは頭金を取られるぜ、金品とは限らんが」知人は薄く笑う。
「炎症止めの内服薬をお出しします。酷く眠くなりますので此方で休まれるといい」
その場で飲んだ。病院の清潔なシーツに倒れ込む。
「お支払の件ですが」
余りの睡魔に適当に答えた。
目覚めると猿轡を噛まされ椅子にくくりつけられている、裸で。
医者が注射器を手に佇んでいる。うめく俺の前髪を撫で、
「貴方が了解したんですよ、支払いは躰でと。私の実験対象なる、と」
椅子を揺らし抗議する俺の腕を押さえ付け注射器の中身を打ち込む。
薬が効かぬ間に医者は眼鏡を外し手袋を填め俺の股間に手を伸ばし扱き始めた。
「さて人は日常を棄て愉悦に浸りきることが出来るのか」
知るか、と叫ぶ俺の意識が飛ぶ、薬が効いてきた。医者の愛撫も心地よい。
身内も恋人も仕事も金も愉しみも無い、ならばこの変態じみた非日常的な実験に付き合わざるを得ない
馬鹿げた人生。







2007/07/07
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