返信する

 お留守番
© 透流 
作者のサイト 
 R指定:---
 キーワード:【大人の男】
  ▼一番下へ飛ぶ


ベッドの上で膝を抱えて座りながら前の広い背中をジッと見つめる。
彼が動く度に背中の引き締まった筋肉も動くのが分かる。
触れたくてソロソロと伸ばした手を慌てて引っ込めた。
そんな僕に気付いたのか、小さくため息を吐くと僕の目を困った様に微笑みながら覗き込んだ。

「いつまで拗ねてるんですか?」

大きな手で僕の頭を優しく撫でる。
撫でられる感覚はとても気持ち良いのに、素直になれない僕は顔を逸す。

「ちゃんと顔を見せて下さい」

頬に手を添えられ、抵抗しないまま顔を向き、目と目が合う。
元々抵抗する気なんか無いし…。
頬に手を添えたままちょっと意地悪な笑顔で僕を見た。

「私が居ないと寂しいですか?」

知ってて聞くんだ。
今にも泣きそうな僕に、わざとそうやって聞くんだ。

「私は…寂しいですよ…?」

耳元で囁かれ、吐息が耳を掠める。
彼の声が僕の耳を支配する。
そしてその甘い言葉がゆっくり体中に染み込む。
僕は無言で彼の首に腕を回す。
スッポリと僕の体を包み込んでしまう。
もっと近付きたくて、回した腕に力を込める。

「帰って来たら…………からね?」

彼の言葉に僕の顔は赤く染まり、そんな僕の顔を見た彼は嬉しそうに笑う。
彼の笑顔は好き。
優しく唇に触れるだけのキスをする。
あの言葉と、このキスがあれば僕はまだ頑張れる。



『帰って来たら…【ずっと離しません】からね?』



その言葉を胸に…今日も僕は彼を待つ。



   ―end―








2008/04/25
▲ 始めに戻る

作者のサイト
編集

 B A C K 



[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]