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事件発生。
R指定:無し
キーワード:教師×生徒
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(その時の俺は、内心と真逆に、ぴくりともしない無表情を貫いていたのだろう)
「……流、いや、津田」
「先生……」
(誤解しないでくださいね、と続けようと思ったのに)
俺は放課後の教室で、委員としての仕事を、クラスメイトの久夜とふたりきりでしていた。
委員会の仕事が終わり、漸く帰宅――…と言ったとき。
『んーっ、はぁ。……終わったし、そろそろ帰ろー』
『そうだな。じゃあ片付けて……あ、久夜、そこにプリント1枚落ちて……』
久夜が振り返り、床を見て一歩動いた瞬間。
『え? 何処……うわっ?』
滑った体は、彼が背を向けている側にいた俺の近くに――いや、違う。嗚呼、そうですか。俺の上にダイブですね。俺は成す術も無く、そのまま巻き込まれ、椅子ごと倒れ床に頭を打ち付けた。
『ごご、ごめん! 津田……大丈夫か?』
『大丈夫、あの、退いて……』
『うああたんこぶ出来てる……』
嗚呼、聞いて無い。キミはなかなかの兵(ツワモノ)だ。
腹の上に乗った久夜が、心配気に俺の後頭部を撫でる。あの、苦しいから腹の上から退いて欲しく思う。それに……
脳内で(退いて)と同じ言葉を繰り返す。だって、そろそろ奴が来る。早く退いてくれマジで困る。
『あの、退い『おらオメー等はよ帰れーィ』』
来てしまった。
「先生……」
「……何やってんの」
その言葉に、久夜が俺を押し倒してる状況に気付き、漸く離れたため僕が起き上がった瞬間――
「ひわっ!?」
床に落ちてたプリントをまた踏んだらしい。二度も踏む奴がいるとは。足の滑った久夜の体はまた俺の方に落ちて来て――
「うあ」
「ふ、むっ」
体の上にまた落下。うわ。此は嬉しくない事故。ああ。だって……明日の俺の状態が手に取るようにわかってしまう。
教師と言う、恋人が見てる前で、クラスメイトと口付けしてしまった俺。
「うわわっ! ご、ごめ!」
久夜は顔を真っ赤に染め、慌てて鞄を掴み教室を出て行った。無言の先生、茫然とする俺。
「……先生、今日の予定は」
危険を現すサイレンが鳴り響く中、何処か冷静な自分が呟く。先生は、俺の耳元で囁いた。
「飼い犬をベッドで仕置だ」
今日と明日の俺の予定が決まった。王者に、所詮飼い犬の俺が勝てるわけが無い。
ベッドの上で俺は、今日体を酷く貪られるのだ。
誰かたすけてくれ。
-終わり-
2008/05/31
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