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 花火大会
© ミズキ 
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 R指定:無し
   あらすじ:高校生カップル津奈(ツナ)×剛(ツヨシ)。2人を見守る親友の弥度(ミド)視点。
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「これ、ただの花火だけど。」

剛が不機嫌そうに呟いた。

「俺、線香花火好きだよ。」

「弥度は好きでも、俺はもっとスゴいのが見たかったの!!」



剛が不機嫌なのは、花火大会がただの線香花火に変わったからじゃなくて



津奈と行こうと思ってた花火大会に行けなかったから。

津奈、バイトが入ってるんだって。

そんなローテーションシステムなんか知らない剛は、昨日いきなり津奈を誘ったみたいで。


……そりゃぁ、無理だよね。



そしたら、ものすごい不機嫌そうに俺のところにやってきて


“花火大会行こう”


って言ってきた。


勿論、人ごみなんて大嫌いな俺は、コンビニで線香花火を買ってきて、2人だけの花火大会開始。



「剛、願い事しながらやろう。」

最後の一本を渡しながら言った。


「落ちなかったら叶うから。」



金持ちの人に言えば、行きたかった花火大会も行けたのに。

わざわざ俺のとこに来たのは…






「あ。」






絶対行かないってわかってたから。



「…落ちちゃったけど。」

「大丈夫。俺が剛の分お願いしといた。」

「?」


落ちずに消えた俺の線香花火。


「行っておいで。」


指さした方向を見たら、剛は一瞬嬉しそうな顔をして



「おせぇよ、バカ。」


なんて、表情をすぐ変えて、言い放った。



全く、俺の身にもなってよ。

バカ津奈。









―――――――――――――――

花火大会に津奈以外の人と行ったって意味ないから。


“早く来い、バカ津奈”












2008/07/09
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