返信する

 comply
© 春゛ 
作者のサイト 
 R指定:---
 キーワード:真夜中の告白/年の差
  ▼一番下へ飛ぶ



穏やかな寝息が聞こえる方に、横目で目線を移せば、まだ幼さの残る顔。

フッと笑みを漏らしながら、右手で頭を撫でる。


「…うーん〜。」


と、身動くものの、起きる気配はない。
そっと手を放し、布団から抜け出る。
少しずれた掛け布団をかけ直すと、何かいい夢でも視てるのか、幸せそうな表情で…。
思わず伸ばしそうになった手を引っ込める。


(やべぇな…。)


窓際に行き、少しカーテンを開ける。
外は昨日から降り続く雨で、景色が霞んで見える。
目の前のパソコン台に置いてるタバコと灰皿を引き寄せタバコに火を点ける。

体に広がった煙を外に出すと、ゆらゆらと天井に昇ってゆく。
少し煙を追った後、目線をまたベッドの方へ。

さっきと同じ様に、規則的な呼吸を繰り返している。


(まいった…。)


いつからだろうか。
隣で眠れなくなったのは…。

いつからかはっきり思い出せないが、意識しすぎて眠れないなんて、どこの中学生だよ。
いい大人だろ。
頭をガシガシと掻きながら、反対の手にあるタバコを口元に。

子供なのは幸せそうに寝てるアイツで。

子供のくせにって言ってる俺が、アイツに欲情してて。


(ずっと『好きだ』って言ってくるアイツに毒されたか?)


フッと口角が上がり、ニヤケた顔になるのがわかる。


(…いや、違うな。最初から、惹かれてたんだな。)


クックックっと声を殺して笑う。


(『好き』って言うより、もう…)


「『愛してる』だな…。」


雨音に欠き消され、この告白は眠ってるアイツの耳に届く筈もなく…。

手元のタバコを消し、部屋を出る。


(さて、俺の寝床のリビングのソファーに行くか。)


リビングに向かう為、階段を下ってゆく。

いつまで続くのか、外の雨は止む気配はまったくない。










2008/08/20
▲ 始めに戻る

作者のサイト
編集

 B A C K 



[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]