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 愛々傘
© 紅暁 
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最近、雨が降ると嬉しい
朝降ってなくて、午後からの雨だとなお良い
だって、僕の好きなあの子は…

−−

「ぅわ。今日も雨降ってきたし」
放課後、学校の昇降口を出た所で雨粒が落ちてきた
“今日も”なんて言ってるくせに、傘を持ってくる気配はない

雨が降る

わかってるくせにこの子は傘を持ってこない
わざとなのかな?
僕にとっては好都合

「時雨、傘持ってきてないの?」
「当たり前だろ。朝雨降ってなかったじゃん」
当然といった顔を見せ、雨が降ってる空を見上げて頬を膨らませている
そんな姿がかわいらしく、少し顔が緩んでしまう
「何笑ってんだよ。馬鹿にしてんのか?」
「んーん、かわいいなーって思ってさ」
「バッ、変なこと言うなよ」
顔を紅くして照れる姿もかわいらしい
「どーする?僕の傘に入ってく?」
「〜っ、そうするしかねぇだろ」

長い帰り道、僕らは肩を触れあわせ一つの傘の下で歩く

「あんまりくっつくなよ」
そんなことを言いながら、さっきから肩をぶつけているのは時雨だ

「おい、もっと傘下げないとオレが濡れるだろッ」
「はいはい」

もうすぐ時雨の家

短いデートもおしまい

「じゃーな」

「あ、時雨!」

お礼も言わず出て行こうとする時雨を引き留める
「・・・ん?」

―また、明日ね

そう囁き、傘の中で隠れてキスを落とす

相合傘、二人だけの空間でのキス

真っ赤になりながら時雨は玄関へ走った

最後まで見送ると、僕も家へ向かう
そしたらすぐにメールが来るんだ

『また傘の中に入ってやるよ』

いつもの、時雨なりのお礼のメール
お礼メールがどんどんたまっていく
今度時雨に見せつけてやろう
どんな顔をするだろう

困った顔をしたならまたキスをしてやろう
怒った顔をしてもキスをしてやろう

このおっきな傘の、僕らだけの空間で








2008/08/20
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