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 Brightness Of The New Year
© 卯月いりや 
作者のサイト 
 R指定:有り
 キーワード:18禁 年の差 純愛 年下受け 美少年
 あらすじ:18禁なのでご注意。高校生・清太と、大学生・涼の二人は、大晦日、バンドのカウントダウンライブに行き、その後ホテルで一夜を過ごします。ラブラブHです。
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 大晦日。その日、ある邦楽バンドのカウントダウンライブが行われることになっていた。
 涼は事前に清太を誘った。OKをもらった時青年は、天にも昇る気持ちだった。その場ですぐに返事はもらえず、親に聞いてから、となったのだが、次に返事をもらった時、ライブの許可だけでなく、大晦日なので遅くなってもいいと、もう一つの許可まで彼の親からもらえたのだ。
 涼は、チケットを2枚手にしてから当日までの間、イベント事が待ち遠しくて仕方がない、子供のような気持ちで過ごした。

 夜、駅での待ち合わせに現れた清太は、青いタートルネックのセーターに、黒いミリタリーコート、細身の黒ジーンズに茶色いロングブーツの姿で、普段の可愛らしさとはまた違ったロックテイストな彼に、涼はギャップから来る色気を感じ、胸の高鳴りを覚えた。

 ライブは総立ち状態で、二人も隣り合わせて立ち、曲に合わせて手拍子を打ったり、ボーカルと一緒に歌ったりした。ライブ自体も盛り上がり、カウントダウンの時も、二人は周りの客に合わせ、数字を叫んだ。その瞬間煌びやかな金銀のテープが場内に飛び、それを二人は掴んだ。

 ライブは夜中の1時前に終わり、二人は会場の外へ出た。場内のライブ中はコートを脱いでいても暑いくらいだったが、さすがに外は冷えた。二人は腕にかけていたコートを、すぐに羽織った。
「わあ、見て、涼」
 清太が、歓声を上げた。
「え、何?」
 涼はコートを着終わると、顔を上げた。
「ああ、凄いね」
 会場前に置かれた、クリスマスツリーの役目を終えた数メートルの大きなもみの木は、オーナメントが外されて、点滅する豆電球だけになっていたが、上方に大きな薄ピンクのリボンがかけられ、そこには「HAPPY NEW YEAR!」と赤い文字で書かれていた。ライブ前にはまだリボンがかけられていなかった。きっと、会場の係の人が年明け後に、はしごを使って取り付けたのだろう。
「可愛い」
 少年は口元に手をやって、感想を漏らした。その姿は、ツリー以上に可愛らしかった。ふともみの木の周りを見ると、会場から出てきたライブ客や、新年を祝う街の人々の笑顔で溢れかえり、街のネオンも原色に煌き、涼は幸せな気分になった。隣の清太もまた、抱きしめたいほどの笑顔を見せていた。


 二人は街を少し歩くと、近くのレストランで軽く食事を摂った。
 温かいコーヒーをすすっている清太と、涼は目を合わせられなかった。実は彼に内緒で、ライブ会場近くのホテルに予約を入れてしまっていた。それをいつ彼に切り出そうかと、タイミングを計っていた。すでに淫らな想像が頭をもたげてきているのが、瞳の中に表れているのではないかと、涼はあえて目を見られないようにしていた。が、とうとう彼と目が合った。

「涼、どうするの? これから。まだ帰らないよね」
「あ、ああ。あの…」
 涼は自分のカップから、コーヒーをこぼしそうになった。
「今日は友達みんなとライブって母さんに言ってあるんだけど、未成年だけじゃなくて、友達のお兄さんも一緒だって僕が言ったら、なら帰りは朝でもいいって」
『朝…?』
 それは、泊まってもいいと、朝まで彼を自由にしてもいい、ということなのか。
「清太」
 涼は思わず身を乗り出した。ん? とこっちを見る清太。
「実は、この近くに部屋を取ってあるんだ。いい…よな?」
 青年は彼の顔を覗き込むように見た。
「そう、なの。いいけど…、どこ?」
「じゃあ、すぐ行こう」
 次の瞬間には、青年は立ち上がっていた。


 裸の少年が、腰から下にだけ無造作に毛布をかけて、横たわっていた。シャワーは一緒に浴び、彼を先に上がらせていたのだが、疲れているのか。
 涼はベッドのへりに腰かけ、上体を捻り、目を閉じている彼の髪を撫でた。彼が寝息を立てる前に、なんとかしなければいけないのだが…。と思っていると、少年の肩がぴくりと動いた。

「あ、ごめん。もう上がってたんだ」
 清太は目を擦りながら起き上がった。
「眠い?」
 青年は微笑んで、また相手の髪を撫でた。
「ううん、大丈夫。涼が起こしててくれるんでしょう?」
 少年のほうから青年に唇を合わせてきたので戸惑ったが、涼はすぐに舌を絡ませ、彼を抱き締めた。

「あっ、ああ…」
 彼のすでに熱く固くなったものを、青年は口の深くまで頬張った。彼も自分を待ちわびていてくれたことが、とにかく嬉しかった。
 少年はベッドに横たわり、枕に頭を沈めながら、両手指でシーツを掴んでいた。活きのいい少年の魚を、涼は思いを尽くして味わった。
「いや…、いっちゃう…。まだ、いやぁ…」
 頭を左右に振り、少年は言葉と裏腹によがった。
 このまま放させ、飲み込んでもよかったが、あえて寸止めにし、涼は唇を離し、暫し彼を解放した。
「意地悪…」
 本当は放ちたかったのか、清太は涼のほうを見ながら、小さく呟いた。

「清太、うつ伏せになって」
 少年が言われた通りにすると、涼は持ってきていた小瓶入りの潤滑剤を、彼の入り口に丁寧に塗り始めた。
「あん、や…」
 枕を抱えて目を閉じ、感じながら、素直に受け入れる彼。涼はこの後自分が入り易いように、より彼の入り口を指先で開いてゆく。
 やがて、指がスムーズに入るくらいになってきたころ、自分でもいい頃合だと分かるのか、「ん…涼…、早く…」と、少年は甘く切ない声で、ねだってきた。
 青年も、彼の入り口に触れながらかなり大きくなってきていた自分自身を、もどかしげに片手で持ち、少年の潤った入り口に、勢いよく侵入させた。それは、自分が思っていた以上にすんなりと入ったので、突き入れる、という感じだった。

「ああっ」
 少年も少し驚いたようだが、すぐに腰を上げて脚を開き、背後にいる青年が、より深く入れるようにした。そのおかげで、青年のものは根元まで入った。
「清太…」
 涼は彼の腰を後ろから抱えながら動き出した。始めはゆっくりと、徐々に欲情のまま、激しく…。
「あっ、ああんっ、涼っ…」
 髪を乱し、感じ出す清太。
 そういえばゴムを着けるのを忘れていたが、彼は大丈夫なのだろうか。朝までは長いのだ。
「清太…、今、生だけど…大丈夫?」
 青年は揺れながら聞いた。
「ん、いいの…。最初はこのままがいいの…」
 少年も揺れながら答える。

「清太…」
 そんな彼が愛しくなり、後ろから前に手を回して、彼のものを探り当て、掴んだ。揺れながら、相変わらずそれはよく跳ねた。
「あっ、いや、ん…っ」
 先程口で可愛がった時、かなり限界だったらしく、少しさすってやると、すぐに青年の手の中に、彼の熱情が溢れてきてしまった。それをまた可愛く思い、更にさする。その間も腰の動きは緩めないので、少年には二重の快感が襲ってきていた。
「いや、どうするの…?」
 後ろを振り向き、少年は相手の意向を伺おうとした。が、青年は腰と手の動きに励みながら、微笑みを返すだけだった。
「あんっ、好きにしてっ…!」
 少年は腰を跳ね上げ、より青年の動きに合わせて揺れた。涼はより深く少年を攻める。彼の顔を見たいが、自分でこの体位を選んだのだから、仕方ない。2回目は向き合って抱き合おうか。少年の乱れ髪に覆われた後頭部を眺めながら、涼は長い夜のことを考え出した。今日はいくらでも彼を自由にしていいのだ。自らの道具に着けるものも、ある程度数は持って来ている。

 青年の手の中で、少年の魚は元気に暴れているが、最後一緒にいく分だけは残してやろうと、涼は解放してやった。離した手を、少年の腰に添える。
「涼…?」
「一緒に、いこう…」
 青年が優しく言うと、少年は頷き、共に揺れた。
「なら、あ、強くして、もっと、来て…!」
 少年は甘く叫んだ。青年は言われるまま、少年を激しく速く、突く。
「あっ、あっ、あっ…」
 そのリズムに合わせ、少年は小刻みに声を出し、悶えた。限界は近かった。
「あっ、ああんっ、涼っ、涼っ…!」
「清太、清太…愛してる…」
 一際強く青年が腰を振ると、ついに熱情が少年の奥深くまで放たれた。
「あっ、ああっ…」
 少年にも同時に限界が訪れ、シーツの上に熱情が溢れる。少年は震え、相手を背中に乗せたまま、突っ伏した。…


 体の中をきれいにした後、少年はうつ伏せで余韻に浸っていた。横には、恋人がいた。その青年が、彼の濡れた栗色の髪を手櫛でといてやると、少年は赤くなって体を半転させ、手から逃れた。
「どうした?」
 涼は聞く。
 清太は背中を見せたまま答える。
「だって…、今日の涼、違うんだもん」
「何が?」
「強いんだもん…」
 清太は足元にあった毛布を引き寄せ、頭から被った。そんなに顔を見られたくないのか。
「いつも、弱いとか? いつもよくない?」
 涼は笑って聞いた。
「そんなことない」
 少年は毛布をはねのけ、やっとこっちを向いてくれた。目が合うと、彼は赤くなった。

「いつも…いいよ。今日は特に、男らしいっていうか…」
 上目遣いに、少年は青年を見た。毛布の端を、胸の辺りで手繰り寄せながら…。
「だったら、君のせいだ。君が、いつもと違うんだ」
「そんなこと…」
 少年が言いかけると、青年がおもむろに唇を奪ってきた。少年は観念し、相手の舌を探した。やがて、二人は舌を深く絡ませ合う。絡ませたまま、青年が少年を仰向けにした。唇を首筋に移そうとする。
「待って」
 と、清太が相手を制した。
「何?」
 青年は少年を見つめた。
「まだ、言ってなかったことがあるの」
「え?」
「明けまして、おめでとう」
「あ、ああ」
 そういえば、年が明けてから、お互いに言っていなかった。涼は笑った。
「おめでとう。これからも、よろしく」
 今年も、ではなく、そう言いたい気分だった。少年も微笑み、二人はまた熱く唇を合わせ、強く抱き締め合った。

 窓の外では、新年を祝う人々のざわめきが響き、街の明かりは朝まで消えそうになかった。


END


「Brightness Of The New Year」
作者:卯月いりや








2008/11/06
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