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‡蒼い薔薇‡
R指定:---
キーワード:高校生・独占欲
あらすじ:4年前―――彼女が死んだ日………。俺はあいつに重い鎖をかけた……。
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それまでの俺は、雅の為だけに存在していて、雅の為ならどんな事だって出来る強さが確かにあった。
思春期を向かえ、それまで交わしてきた行為に意味があると分かった時も、拒むことをせず、為るがままに雅はそこにいて……。
だから俺は知らなかった。
あいつがずっと何かを押し殺して生きていたことを……。
―――…雅は俺のこと好きなのか?
4年前―――彼女が死んだ日、俺は雅に重い鎖をかけた。
目に見える程雅はボロボロで、それでなくとも雅は身体が細くて壊れてしまう程の状態だったのに。
……俺は止めることができずに云ったのだった。
「……雅、死ぬ前彼女は云ったんだ……自分が居なくなったらお前に与えてやって欲しいって…」
俯く雅の顔を上に向けて、俺は言葉を告げる。
「……“俺”自身を……」
「……っ」
雅は俺の云った言葉の意味を理解したのか、身体をびくっと震わせた。
「…なぁ、雅は俺のこと好きなのか?」
雅の顔を見つめて俺は問う。
「だったら…」
「…いらないっ…そんなの望んでないっ…」
雅は俺を思いっきり押した。手もその声も、いつも以上に震えていた。
肩も小刻みに震えているのが分かる。
「雅…」
「…そんなこと思ってないから安心して?…きっと彼女は勘違いしていたんだよ…」
雅は下を向いたまま、言葉を告げる。
「…もちろん君のことは好きだよ…でも…」
辺りは風が吹いているだけで、俺と雅以外誰もいない。
「――…ごめん…何か勘違いさせてしまったのなら謝るよ…だから…そんな風に云わないで」
雅の云いたいことが否応なしに分かってしまうのが怖くて、俺は雅が嫌がるのを承知で強く抱きしめた。
雅は離れようと必死に俺を押し返す。
俺は逆に雅を押し倒し、悲鳴を上げようとする雅の唇を塞いだ。
「……っ」
雅は俺のそれを拒もうと手を上げて止めさせようとするが、簡単に止めることができた。
「――…やっ…っ」
悲鳴を上げる雅の声が色っぽくて、俺は雅を求めることしか出来なくなった。
塞いだ唇の端から飲み込みきれなかった愛欲の跡が流れる。
お互いのそれを貪り尽くし、俺は雅のズボンのボタンをはずしていく。
そして、現になった雅の蕾を俺はゆっくりと撫でていく。
「…やっ…あ……んっ…」
雅はされるがままになって、ただ声を上げることしか出来なくなっていた。
俺は敏感になった雅のそれを口に含んだ。
「…なっ!…やめっ…」
俺は巧に舌で愛撫を続けた。雅のそれがどんどん昂ぶっているのがわかる。
俺はあいている手で雅の蕾の奥を慣らしていく。
「あっ…ぁんっ…やっ…ぁっ」
断絶的な声しか出ない雅を余所に、俺は自分の昂ぶった物を雅の内に侵入させた。
「っ…ぁんっ…ゃぁっ…」
内を慣らしたおかげで、簡単に雅の奥深くまで行くことができ、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴る。
喘ぐ雅を見つめて、俺は苛立ちを隠せなかった。
俺の知らない雅を彼女は知っていた…雅の表情を彼女は知っていた…それだけでも苛立つのに、雅は彼女の事を心もと好いていた。
――…雅は俺のものだ…誰にも渡さない… 。
「……雅に触れていいのは俺だけだ…」
他の誰にも雅を渡さない…独占欲が俺を止めなくさせる……。
「……っ」
雅は疲れ果てた様にぐったりしていた。
絶頂まで昇りつめて弾けさせた後、俺はやっと雅を離した。
身体だけの関係でいい…雅と一緒なら…俺はどんな悪者だってなってやる…。
「……雅…」
俺は雅の髪の毛に唇を寄せた。
雅をここまで追い込んだ俺が、ここで逃げることは許されない……。
4年前…彼女が死んだ場所には今、一輪の花が咲いている。
それは雅が…彼女が一番好きだった花でもあった。
「――…雅は必ず幸せにしてやるよ…あんたの代わりじゃなく…俺自身の手で…」
俺の見ている視線の先には――…
“蒼い薔薇”
が咲いていた―――…。
―END―
2008/11/27
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