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 恋人達のクリスマス
© 紅暁 
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 R指定:無し
 キーワード:中学生カップル/甘々/ツンデレ(?)/クリスマス
 あらすじ:クリスマスのデートの帰り道
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「きっと君は来ない、ひとりきりのクリスマス・イブ」


僕の恋人は毎年のように流れるクリスマスソングを口ずさむ



きっと君は来ない?
ひとりきりのクリスマス・イブ?



何言ってんだろ、こんな一緒にいるのに


−−

「時雨、何そんなへんてこなの歌ってんの?」

「へんてこなんて言うなよ、名曲だぞ」

そんなことは知ってるよ
でもね、僕らには合わないでしょ?

「さっきまでさんざん二人で楽しいクリスマス過ごしたでしょ?」

「んなこと……知ってる」

僕の言葉に勝手に照れて紅くなってる

そんな姿がとてもかわいい


映画を見た帰り道、もう空はもう真っ暗になっていたけど、華やかなイルミネーションが街を彩っていた


「あ、あれ」


僕が指さした先には、おっきなクリスマスツリーがあった

まぶしいほどに電飾が施され、てっぺんには星のようなものが光っていた


「すげー」

そばまで行くとその大きさや美しさがすごいものだった


「あ、時雨。これ、クリスマスのプレゼント」

そう言って僕は用意していたプレゼントを渡した

「ぁ、え……?そんなもん用意してたのかよ」

時雨は戸惑いながらも受け取る

「ありがと。でもオレ、なんも用意してない。……ごめん」

「気にしないで。僕はクリスマスプレゼントなんてあんまり欲しくないんだ」

僕が静かに言うと、時雨はきょとんとした表情で見つめた


どーいう意味だ?
そう問いかけるような眼差し

「あのね、僕が欲しいのは1つだけ。」

「……それって?」


時雨の耳に口を近づけ、そっと囁く


「それはね、時雨。君だけだよ」


改めて時雨を見ると顔を真っ赤にし、声にならない声で喘いでいた
いつもの悪態は出てこないようだ

「さ、帰ろっか。僕の部屋においで。ケーキがあるよ」

「ぁ、お前の家って…」

「心配しないで、今日は誰もいないよ」

バカヤロ、と時雨が小さく呟いたような呟いていないような


真っ赤になりながら僕の後ろをついてくる



淋しいクリスマスソングなんて歌わないで




“All I Want For Christmas Is You”




こんな幸せな歌を歌おうよ




僕がクリスマスにほしいもの、それは君だよ。











2008/12/13
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