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放課後に関する黒い秘密
R指定:無し
キーワード:年下攻め視点×良い子不良受け
あらすじ:サイトにて連載中小説の攻め視点。よい子の不良との放課後の一コマ。
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パソコンに向かってひたすらにキーを打ち続ける。
今作っているのは風紀委員の来年度予算案。今日中に提出しなくてはいけないが、難しい作業ではない。すぐに終わるだろう。
それよりも、と顔を上げた。
ついこの前から風紀委員のお手伝いとして引き入れた玉木裕也先輩。
実際は手伝いを入れるほどに仕事は多くないし、むしろ俺一人の方がはかどるくらいだ。
茶髪にピアス。指定の学ランではなくてあえて着ているカーディガン。
不良な外見に似合わず意外と素直な先輩は、俺の嘘に気づかず真面目に“お手伝い”をしてくれている。
可愛い。
どうして騙されちゃうんですか。そんな真面目に書類と向き合って………。
「どうした?白河」
いけない。俺の視線に気づいた先輩が顔を上げた。
「何でもありませんよ。少し疲れて」
「だよな…ごめん、こんな雑用みたいなのしか出来なくて」
しゅんと肩を落とす先輩。可愛すぎます。
「大丈夫ですよ。僕はすごく助かっています」
元々、書類のホチキス留めなんて機械に任せればいいんですけど。
それは口に出さず頭を軽く撫でると、先輩は嬉しそうに笑った。
……いつも一緒にいる奴らにもこんな顔を見せてるのか。あの女みたいな顔した男はともかく、和服を着た方は危険だな。先輩が喰われる。
本当ならこんな可愛い先輩を誰にも見せたくない。俺だけが知っていたい。俺のものにしたい。
けれど焦ればこの人はいなくなってしまうかもしれない。現に告白をすれば、どうやら無理矢理冗談だと解釈したらしい。
冗談? それこそ冗談でしょう。
もう焦りたくない。
ゆっくり確実に、俺のところに引き寄せる。
逃げられないくらいに。
「少し休憩にしましょうか」
先輩がこの会議室に来るようになってから、菓子類を買う機会が増えた。
まぁ、あの予算を削って、「諸経費」扱いで委員会費から落とすか。
「おぅ」
愛しい人。
もう一度その頭を撫でれば、ふしぎと笑みが零れた。
2009/01/05
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