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 vacation
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 あらすじ:秘書×弁護士
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「吾郎ちゃ〜ん」

革のソファーに横たわり、多くの書類を読みながら

甘えた声で俺を呼ぶ。

何かを企んでいるときに先生はそうなのだ…。

「はい、先生」

「今度の俺の休みって、いつよ」

「来週の水曜日です」

「ふーん、働かせてくれるね、吾郎ちゃん」

「……」

「まっ、いいや。吾郎ちゃん、携帯」

「はい、先生」

携帯を受け取った先生は

おそらくあの人に掛けるのだろう。

P・P・P・PP…

「北岡ですが、来週の水曜日はお暇ですか?もしよろしければ、お食事でもいかがですか?」

そして、

ふられるだろう。

ツーツーツー

「本当につれないお人だ」

パタンッ

「どうもね、吾郎ちゃん」

「いいえ」

先生から携帯を受け取った時、先生はにっこりと微笑んだ。

やばい、何か企んでいる顔だ……。

「吾郎ちゃん」

「…はい」

「今度の休みさ」

「はい」

「吾郎ちゃんが俺の休みの計画をたてておいてくれるかな?」

「…え?」

「せっかくの休みを一人でいたくないの」

「誰を呼びま…」

「ひどいな、さっき聞いたでしょ」

あっ、食事?

えっ、誰と?

「……俺?」

「そんなの吾郎ちゃんが決めてよね。だ・れ・か・さ・ん・が、働かせるから、忙しいの」

「はい、わかりました」

「じゃあ、もう用が無いから」

そう言いながら先生はほんの軽くだけど、頬をそめていた。

「先生?」

「早く自分の仕事してよ」

「はい、すいません」

先生の顔は先程と違って、真っ赤になっていた。

顔を真っ赤にした先生は再び書類に目を通しはじめた。

先生の企てって…

俺を食事に誘いたかったのかな?

だとしたら、先生って、やっぱり可愛いとこあるよな。

「先生」

「何?」

「紅茶を飲みますか?」

「うん、ありがとう」

吾郎は口笛を吹きながら、再びキッチンに戻った。

先生に美味しい紅茶を飲んでもらうために…。

そして、

先生の夕食を作るために…。



(なによ、口笛吹いちゃってさ)

「吾郎ちゃんのバーカ…」

小声で悪態ついた北岡は書類を読みながら、今度の休日を楽しみにしていた。







2009/01/08
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