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 不幸少年
© 七瀬 
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 R指定:無し
 キーワード:不幸体質
 あらすじ:幸と不幸が出会ったら?
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「危ないっ!」
「え?…ッッぅうぅうう!!!」




不幸少年




「ったく…またお前か、」


はぁ、と溜息をつく保険医。

それはこっちが言いてぇよ!と言いたかったがズキリと走った痛みに口をパクパクさせるだけだった。



「っ痛…俺だってさぁー」
「好きでこんな体質じゃないんだろ」



何度も聞いてる、と遮られてしまった。
チクショウ、グチれないじゃないか。



俺の名前は伊田四葉(イダヨツバ)。
ちなみに四葉は四つ葉のクローバーの四葉らしい。



そんな幸せカモン!な名前の俺は、不幸体質。



例えば、今日みたいにボールが頭に当たったり。
そのせいで気を失って倒れた先にでっぱりがあって腹を強打したり。
そのせいで腹が痛くてデカイ声が出なかったり。



まぁつまり良いとこなしな体質なわけだ。



そんな俺は、
毎日傷をつくって保健室通いの常連になったりとか、
学校では昔からの友人以外は危ないと近寄ってこない。



「俺って何でこんなんだと思う?」
「知るか」

「四葉なんて名前だからか?あーそんな気がする」
「何でだよ」

「だって知ってるだろ?幸運って言われてる不破幸助(フワコウスケ)!あいつ不と幸で不幸だぜ!?
なのに俺は四葉とか変に幸せそうな名前だから逆に不幸なんだよ絶対!!」

「………そうか。(不幸って無理矢理すぎる)」



思いっきり叫んだ後、保険医の目を無視して保健室を出た。



「くそ、また傷が増えたぁぁああああ!!?」



余所みをした一瞬。
ゴロゴロゴロと階段をすべり、いや転がり落ちた。

落ちた末に見えるのは足に引っかかった黄色いバナナ。


「………学校でバナナ食ってんじゃねーよアホぉぉおお!!」





「大丈夫かよ?」





そんな不幸少年が、
体質のせいで出会あった彼は、




「あれ、お前って不幸のやつ?」
「……そういうあんたは確か…」

「不破幸助!知ってる?」






“幸”と“不幸”が出会ったら、
彼らの日々は幸になるのか不幸になるのか。



知るのはきっと、彼らだけ。



えんど。








2009/03/20
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