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 友達
© 若月ちゆき 
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 キーワード:甘党向け・友達に恋愛してしまいました。
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「友達じゃん!」

『卑怯だよ。その言葉は』


  =友達=


「卑怯って、何がだよ?
本当のことだろ?」

『そうだけどさ……』

「なんだよ。
不満なんか?」

『いや、そうじゃないけどさ…』

「なんだよ。さっきから。
俺はお前が友達ですごく嬉しいんだから」

『克巳。
お前が嬉しいなら、
俺も嬉しいかな?』

「え?
あ、ありがとう」

『……なんだよ。
克巳。もっと喜べよ?
友達だと嬉しいんだろ?』

「う、うん。めちゃくちゃ嬉しいよ」

『じゃあ、笑ってよ』

「笑ってるよ」

『泣きそうな顔してるのに?』

「え、マジで?」

『俺、お前に嘘ついたことある?』

「ないけど……」

『……なぁ、俺、
お前に何かしたか?』

「え?」

『だって、最近、ぎこちないっていうか
距離感じるんだけど。
気のせい?』

「ごめん。
そういうつもりじゃなかったんだ。
違うんだ。
避けてるとか嫌いになったとかじゃ
なくて……」

『じゃあ、どうして?』

「それはその……」

『友達じゃん』

「…うん」

『俺に、言えないこと?』

「ずっと友達でいてくれるって
今すぐ約束して。
俺、じゃないと言えない。
怖いし…その……」

『ずっと友達でいてやるし。
俺こそ、お前が他人になるなんて
考えられないし。
だから、どんと言ってよ』

「幸一。ありがとう。
ごめんね。
俺、お前の純粋な気持ち
踏みねじるよ」

『…ああ』

「あのね、
俺、好きなんだ。幸一が。
友達としてじゃなくて、その
恋愛感情として」

『ぇ?』

「驚いたよね。
でも、俺、何も望まないから、
今まで通り友達でいて下さい。
幸一に彼女できても邪魔しないし、
ちゃんと友達として
応援だってするから。だから…
だから、友達で…」

『……わり。無理だよ。
約束は守れないし、
友達なんて、もう嫌だよ』

「あ、うん。
わかった。ごめんね。
幸一。ごめん…
今までありがとう。
さよう、ならっ、
……ぇ?」

『何、勘違いしてんの?
行くなよ。ずっと傍にいてくれよ。
荘司』

「なんで、友達でいられないって…」

『馬鹿。なんで、決めつけるの?
俺だって、ずっと荘司が好きだった。
だから、これからは、
俺の恋人になって。
俺だけの』

「……ぅん。
ありがとう、すごく嬉しい」

『泣くなよ。笑ってくれよ』

「うんっ!」

『そうだよ。
お前はいつまでもそうやって、
笑ってたらいいんだよ。
な?』



  ‐fin‐










2009/11/01
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