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 smokin
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 キーワード:倦怠期カップルの話
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部屋中に煙草の煙が充満している



臭い


ケムい



「光太お前タバコ吸いすぎやねん」


「うるさい」


「肺ガンなるで、肺ガン」


「ならへんわ」


「副流煙吸ってる俺がや!アホ」


「…」









付き合ってもうすぐ四年

情事が終わってすぐに煙草を吸う光太の後ろ姿を見つめる




付き合い始めた頃の甘さなんかもうない

それなりに浮気されたし、やり返したりした

キスと口数は減ったのに

光太の煙草の数は増えた










…そろそろ潮時な事を知ってる










だってほら

俺が色々考えて
目に涙を溜めて見つめてることなんて気付かない













去年あたりから両親に

「田舎帰って結婚しろ」

と何回も言われてる

戻ったら、お見合いもしっかり用意されてるみたいだ






もちろん光太には言ってない








光太の浮気相手はみんな女の子


俺と別れても

適当に女の子と付き合って結婚するんだろう








今、

俺から“さよなら”って言ったら

簡単に明日から他人に戻るのかもしれない















本当のこと言うと

まだこの背中が愛しくてたまらない

今、光太が振り返って優しくキスしてくれたら

こんな思いはかき消されるのに



煙草の味してもいいよ

それでもいいよ







もくもく




もくもく











今にも俺の心臓はつぶれそう












もくもく








もくもく













「なぁ、良」















end







2009/12/12
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