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 いちがつ
© つゆき 
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 R指定:無し
 キーワード:学生
 あらすじ:卒業間近の相互片思いのお話。
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灰色の雲が頭上を覆っていた。









もうすぐで、雪が降る。







そんな予感。









□□□いちがつ











「寒い。非常に寒い」
「俺だって寒いよ」
「いや、俺のが寒いね。だってこんなに指先冷えてるもん」



そう言って、隣の席の兼田が俺の手を何食わぬ顔して取った。
確かに冷たかったけど、俺だって負けない位に指先まで冷えてんだ。



「俺の体温で暖を取るな!」
「良いじゃん。初島の体温分けてよ」
「嫌だよ。俺だけ余計に寒くなんじゃん」
「じゃあさ、お互い温めあおう」



とかなんとか言って、指先が絡まった。




え、恋人繋ぎなんですけど…



意味も分からず焦る俺に、ニコニコ顔の兼田。


意味深な男子校生(三年生)の俺たち(だって学校で手繋ぐとか)





どんな反応を返して良いのかなんて、知りもしない俺は



なんとなく、視線を兼田に合わせないように、汚く消された黒板に向けてやり過ごした。








交じり合う体温も、後2ヶ月の命で。









雪が舞い始める。








2009/12/19
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