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© 高原 
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 キーワード:切ない 悲恋 親友 片思い
 あらすじ:結婚する親友と言えない秘密
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人間は孤独だ


誰が隣にいても


誰も隣にいなくても


誰を愛しても


誰に愛されても





この先何万年生きたとしても


僕はきっと


孤独のまま


君を好きでいる






















「それでさ、式の日取りなんだけど、やっぱ暖かい時期の方がいいと思って。それで…」



君に言えない秘密を
僕はずっと抱えてる

君に会うたび膨れるこの秘密を
どうして伝えることができるだろう





「志摩、もう少し落ち着いて話してよ。浮かれてるのはわかるけどね、聞く側の身にもなってよ」

「え、ごめん。いやぁ、でもやっぱ嬉しいもんだな。返事貰ってから、早く佐倉に伝えたくてさ。アイツも、佐倉さんに宜しくってさ」


「ふふ。僕も嬉しいよ。ずいぶん待たされたけどね」




初めから解っていた

僕らが所謂普通の人相手に恋をするのは不可能だ

好きになれば必ず傷つく

だからそうならないように予防線をはる



解っていた、











「まぁ、いいじゃない。こうして無事に報告できたんだから。あ、そうだ。式にさぁ、種岡とかも呼ぼうと思ってるんだけど」


「いいんじゃないか。ちょうど休みの時期だし、招待すればアイツもこっちに帰ってくるだろ」


「いやぁ、でもすごいよなぁ。海外赴任なんて。昔っからできる奴だとは思ってたけど。やっぱアレかな、向こうではブロンドの彼女とか作ってるのかな」


「もう、馬鹿言ってないで志摩も頑張りなよ。これから家族を養っていかなきゃいけないんだから」


「はは、だよな。やっぱ子供は一姫二太郎で…」






誰かを好きになれば、

必ず傷つく


それでも人は人を好きになって

傷ついて

傷つけて

誰かと繋がろうとする



きっと初めて会った時から僕は君が好きで、
こうなることは決まっていた
それを解っていて君を嫌いになれなかったのは僕で
そんな君に彼女を紹介したのも僕で
何年も前から
君に勉強を教えるのも
君の相談にのるのも
君とご飯を食べるのも
君の笑顔を見るのも
君の親友でいるのも
全部、
隣でやってきたのは僕で


僕は今日まで
君がいたから幸せで
君がいたから孤独だった















「やっぱ名付け親はお前しかいないよな。そうすりゃ、俺もアイツも喜ぶ」


「はは。気が早いなぁ、志摩」



志摩、

志摩、

志摩、


僕が君を呼ぶのも、
今日で最期だって解ってる?


















「でも本当に、佐倉には感謝してる。今こうしていられるのも佐倉のおかげだし」







あぁ、これから


僕はこの秘密と生きていく















「ふ。大袈裟だよ」


「いーや、本当だって。感謝してる」






この秘密と、ふたりで

















「これからも親友でいてくれよ、佐倉」


「あぁ、」












ふたりで、孤独に



































「結婚おめでとう、志摩」
 
 







2010/07/31
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