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 ポーカーフェイス
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「ねぇ、付き合わない?」
「うん」

そんな軽いノリで、僕たちは付き合い始めた。

付き合って1ヶ月。
特になんの変化もない。友達だった時と同じように、他愛ないことを話したり、一緒に帰ったりするだけ。
たまに遊びに行ったりするけど、これも友達だった時と変わらない。

変わったと言えば、ポーカーフェイスで無口な純が、さらに無口になったってことだけ。
なんだか気まずい。

やっぱり告ったのが間違いだったか…?
僕自身、ノリで言ったようなもんだったしな…
やっぱり無かったことにしようかな…

「…っと、もうこんな時間か」

時計に目をやると、下校時間をとっくに過ぎていた。
僕は帰る支度をして、教室をあとにする。

純は図書室って言ってたよな…

僕は駆け足で図書室に向かった。

図書室に着き、中に入ろうとしてドアを開けようとした手が止まった。
図書室では、純が女子とキスしていたからだ。

「………」

僕はしばらくそこから動けなかった。

やっぱ、教室で待ってよう…

そう思ったのと同時に、僕は無我夢中で教室に向かった。

教室は夕焼けの暖かな光が差し込んで、とても落ち着いた。
僕は自分の席に着くと、そのまま机に突っ伏した。

いつの間にか涙が流れていた。

何がノリだよ…
こんなにも好きになくせに…

やっぱ純にしては迷惑だったかな…
ホントは彼女がいたのかな…
でも純は優しいから…
だから僕の告白もOKしたのかな…

いろんな考えが頭の中をぐるぐると回る。

その時、

「柚樹…」

突然名前を呼ばれ、顔を上げると、少し息を切らしながら純が立っていた。

「純…」
「ごめん…」
「あ、いや…別に……っていうか、彼女がいるなら言ってくれれば……」
「違う。あの子とは無関係…あれはいきなりしてきた」
「そ、なんだ…」
「うん…」

僕たちの間に気まずい沈黙が流れる。
しかし、その沈黙を破ったのは純だ。

「あのさ…俺、感情が顔に出にくいから…その、分かりずらいかもしれないけど…」

そう言って真っ直ぐと僕を見据えてくる純。

「結構…てか、すっげぇ好きだから…柚樹のこと…」


あぁ…
いつもポーカーフェイスな君が、頬を真っ赤に染めて見えるのは、夕焼けのせい?

「僕もね、すっげぇ好きだよ」

そう言うと、純の頬はますます真っ赤に染まったような気がした。









2012/02/25
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