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 恋は盲目
© とらねこ 
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 キーワード:従兄弟
 あらすじ:従兄の卓に惚れている雅臣。同居を機に力尽くで手に入れようと目論むけれど・・・。
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今日こそ襲う。
雅臣が決意して戸をこじ開けると、卓が見覚えのあるシャツに顔を埋めて自慰していた。
「・・・臣っ・・・」
切ない叫びに胸が高鳴りを覚える。

従兄の卓が大学が近いからと、同居を申し出て来てから、雅臣はいつ想いを確かめようか迷っていた。
婚姻の誓いを交わしたのは、はるか幼い頃。雅臣は待ち続けていたが、連絡ひとつ寄越して来ないので、卓はとっくに忘れたものだとばかり思っていた。

「何してんの、卓」
声をかけた途端、卓は顔面蒼白になった。
「驚いたな。そういう趣味?」
焦らされていたこともあり、雅臣が意地悪く問うと、今度は頬を真っ赤に染める。
「ち、違う。雅臣が好きってわけじゃ」
可愛すぎる反応に、犯す気満々だったのが萎えてしまい、卓の唇に優しくキスを降らせる。あの頃とは違う、舌を絡めた大人の味だ。
「っ・・・雅、臣・・・ぅん」
「卓」
好きだよ、ずっと。刷り込まれたみたいに卓しか見えなかったんだ。
服に手を差し込み、指先で素肌をなぞる。卓はくすぐったいのか、照れくさそうに身悶えした。
「・・・ふ、っぁ・・・あぅ」
口内が熱い。交わした唾液がくちゅっと濡れた音を立てる。中心が勃ち上がり始めたので、ズボンを脱がせ合い、卓のものを弄る代わりに舐めてもらった。
「んぁっ・・・ぅあ・・・雅臣・・・」
指を伸ばせば入り口に届く。ものほしそうにひくつくたび、雅臣は触れないように自制した。
「いっ・・・も、だめぇ・・・」
「いいよ。俺も限界」
「あぅ、あぁっ・・・はぁ、ん・・・・・・」
互いに白濁を零したところで体を離す。
「ゆっくり、やってこうな」
想いが通じたなら焦る必要などない。
「違うって言ったのに」
幸福に浸っている雅臣の耳に、卓の小さなぼやきは届かなかった。

雅臣は同居している父親の弘臣を、ほんの少しだけ邪魔者に感じた。二人きりになりたくとも学生として扶養されている身だ。
稼げるようになったらと雅臣は未来を描く。卓さえいればどんな困難も乗り越えられる、と。







2012/03/12
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