返信する

 一瞬の幸せ
© 夜月 黒猫 
作者のサイト 
 R指定:有り
 キーワード:三角関係?/切ない/目隠しプレイ
 あらすじ:キミが愛してくれならば、僕はこの遊戯をやめることは出来ない…/短編集一部カット
▼一番下へ飛ぶ


.

ねぇ…
僕と一緒に…

幸せな夢を見よう?




雲一つない青空の下、彼はこちらに近付いて来る。僕の大好きな笑みを浮かべて。

「毎朝大変ですね」

「そうでもないよ。早く教室行けば?」

素直になれない自分に溜息。イライラしたからそれを発散した。通りかかった生徒を殴っただけだけれど。

皐月の後ろ姿を目を細めて見つめた。この気持ちがいつか伝わる事を祈りながら…

太陽の光が眩しい。嫌いじゃない、この身体を包む暖かい光。



『実は…好きな人が出来ました』



僕と皐月は友達だ。一番の親友という位置に留まっている。

そんな事を頭の中で考えていたら、近付いて来る気配に気付けなかった。

「何そんなとこ突っ立ってるんだ、一輝?」

「そっちこそ邪魔なんだけど」

「欲求不満だろ。相手してやるから来いよ」

ナンパの上手な佐倉だ。しつこいし、この上なくうざい。

だけど僕は利用する。好きだと言ってくれるこの男を。



『誰が好きなわけ?』



最中に想い浮かべるのはいつも皐月。目隠しというマニアックなプレイが好きなわけじゃない。欲しいのはこの男じゃない。

目を隠された状態で相手の頬に触れる。あぁ、笑っている皐月が見える。

「好きだよ」

愛おしい皐月が目の前にいるんだ。手の大きさ、体格、全てが違うけど。今見えるのは皐月だけ。

自身をヌメッとした舌でなぞられ、溢れる汁は全て舐め取られる。

「ふっ…んあぁっ…っぁう…」

「一輝、感じてる?」

クチュッと響くいやらしい音が、悩を狂わせる。

目隠しのため相手表情は見えない。それが僕の楽しみ。

僕の中では彼は皐月。今自身に触れている温かい手は皐月の手。僕が触れているモノも皐月の…にしては大きすぎか。

一輝は佐倉の髪を引き、唇を重ねる。その間にも自身の先端は溢れ続ける液体でベトベトになり、長い指先は穴を探る。



『よくあなたの隣にいる人です。名は確か…』



「入れるぜ」

細い腰を誘うように動かす大好きな男。胸が苦しい。

なぁ一輝…俺にしておけよ?

会う度に口説くのだが一輝は首を縦に振らない。

慣らしたアナルは大きな佐倉の自身を受け入れる。

「ぅっ…ぃったぁ…あ…やぁ…ふぁ…あっ」

中々良い場所に当たらないもどかしさに腰を振った。ズプズプと音を立て、最初に含んでいたローションが溢れ出た。

涙が溢れた。
こんなことを繰り返しても、どちらも報われない。
そして皐月も報われるはずがない。

「ああぁぁぁっ…ぁ」


呼吸を整えていると口にドロッとした物体。

「まずいよ…」

すると彼はククッと笑い声を漏らす。

一輝は自分の精液を飲み込めず、唇の端から垂れた。


目隠しをされた暗闇の中だけでいい。

キミとの夢を見させて?



『名前は……佐倉』



僕の好きな人は佐倉が好きで…
そいつは僕を好きで…
だから僕達に幸せは訪れない。

だから今だけ…

あなたとの夢を見させて…









2007/02/11
▲ 始めに戻る

作者のサイト
編集

 B A C K 



[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]