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 鍵 (祐遼)
© りんごほっぺ 
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 R指定:---
   あらすじ:浮気のお仕置き?…本当は浮気じゃないのに!
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※BLです。



楽しそうに遼の鼻をツンツンと指でつつく佑介。
赤面しながら祐介を睨みつける遼。
遼は手錠をかけられ、ベッドの上に座っている。祐介は遼の周りをチョロチョロと動き回っては遼にちょっかいを出す。

痺れを切らした遼が勢いよく立ち上がり
「もうやめる!こんな馬鹿みたいなこと耐えられない!祐介、コレの鍵どこだよ。」
手錠をカチャカチャさせて、遼がたずねた。
「鍵は俺の口の中だよ?」
祐介がペロリと出した舌の上に、だ液で濡れた銀色の鍵。
「馬鹿。汚い。呑み込んじゃったらどうすんだよ。」
「洗ったもん、平気。」
「そういう問題じゃねーだろ…」
遼がうなだれる。
「ほら、奪いにおいで?」
「ふざけんなよ、早くコレ外せ。」
祐介がニヤリと笑う。
「おいおい加藤遼くん。元はといえば君が悪いんじゃないのかな?」
浮気なんかして……そう言いかけて、やめた。

今日、同じクラスの男子と遼がキスをしているのを偶然見かけた。嫌がりながらも相手のテクニックに翻弄されている遼を見て、独占欲が爆発した。
さっきまで、遼の四肢を固定して遼がおかしくなるまで遊んでいた。
嫌がる顔も、喘ぐ声も、涙を流す目も、遼の気持ちも……敏感になっていく身体も全て、弄んだ。
そして最後に、感度が良くなったままの遼に少しずつ小さな刺激を与えていた。ちょっとした、罰ゲームのつもりで。
鼻をつついたり、髪を弄ったり、うなじをなぞったり……。かれこれ1時間、ずっとそうしていたのだ。
耐えられないと言うのも、無理はない。
だが、祐介からすれば永遠にそうしていても飽きないような、楽しい時間だ。

浮気じゃないんだろ、遼?わかってるよ、そんなこと。それでもちょっとイラつくから…
「反省してる?」
「……それはもう謝ったんだから、許せよ。」
遼が少し引き下がる。
「もう怒ってないよ?むしろごめんな、ひどい事しちゃって。」
「自覚があるなら手錠を外せ。」
「遼ちゃん泣いてたもんね?」
「もういいから外せってば!」
遼が苛立った声で怒鳴る。祐介が遼を勢いよく抱き締めた。
耳元で、囁く…
「遼、奪ってみろよ。俺の口の中から。」
遼は赤面した。そして少し乱暴に唇と唇を重ねる。

水音が耳にこそばゆい。
それでも、鍵を取らなければ…。

遼は自分の舌を祐介の口の中に入れようと奮闘するも、佑介の舌に押し返され、逆に口内を侵される。
何度も…何度も…。
息が荒い。
苦しい。
遼は祐介の唇から自分の唇を引き離した。

「遼ちゃん?」
「も……無理…」
息が、荒い。
「遼ちゃんキス下手くそだもんね?」
「だって……祐介が上手すぎる…」
「俺がいっぱい教えてあげたのに、全然上達しないよね?これはお仕置きかな〜♪」
そう言ってまた祐介は遼の口内を侵す。
遼は鍵を諦めて、祐介の舌を軽く吸い始めた。
遼の目がトロンとしたのを見計らって、祐介は遼の口の中に鍵を移した。
「…んぁ…ん……鍵…?」
「ピンポン」
「あり…がと…」
「どーいたしまして」
遼は自分の口の中から鍵を取り出した。しかし、鍵を手にして初めて気づく……
「手錠したままじゃ自分で鍵開けられないし…」
遼が世界の終わりのような顔をしているので祐介はつい吹きだしてしまった。
「今頃気づいた?ww」
遼の目に涙がたまる。
「ばか!ばか!俺せっかく頑張ったのに!もう、外せよ祐介!」
「どーしよっかなー?」
「意地悪!大っ嫌い!祐介の馬鹿!外せ変態!」
幼稚園児のような遼が可愛くて、ついつい虐めたくなる…。
「可愛く言えたら、外してあげる。」
……俺なりの、打開策。
遼の顔がみるみるうちに赤くなる。
「……。」
「あれ?どうかしたの、遼ちゃん?」
遼は可愛いくなどできない。俺はそれを知っている。だから、追い込みたくなる。
遼が下から睨み上げて来た。
「外せ…よ…祐介…。」
うつむきながら、絞り出すように発せられる声。
殺人的だ。可愛い。
本人にその気がなくても、煽られている気分になる。


「上出来。」

祐介はクスリと笑い、遼を抱きしめた。


【完】



★ホームページにて祐遼作品を順次更新中!







2014/01/17
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