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 たなばた
© 碧 
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 R指定:無し
 キーワード:彦星と織姫と恋人の話
 あらすじ:一年に一度の逢瀬。願いたくなる二人の幸せ。
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逢いたくて
逢いたくて
逢いたくて
愛しい貴方・・・

今夜、
逢える事が

なによりも
幸せ






♂♂♂♂♂♂♂♂


「何、空ばっか見てるの?」
後ろから、優しく抱きしめられる。
今日は7月6日の23時45分。
部屋の一番大きな窓を開け放ち。
空に広がる一面の星空を見上げる。
「ん? 七夕、晴れるかな・・・って。」
髪の毛に鼻をくっつけて、甘えてくる相手を見上げる。
目が合うと、キス。
優しい、キス。
暖かな腕にだかれて、夜空を見上げる。

明日は、晴れるかな。
それとも、雨??

「さっき、天気予報で朝方から雨だって。彦星、残念だな」
ちょっと寂しそうな声で。
彦星を思う彼。
とても愛しい。
「なんで??」
少し、潤んだ瞳を見つめて質問。
「だって。雨。・・・七夕に雨降ると、二人、逢えねぇじゃん。一年に一回しか逢えないのに。お前、可哀想とか思わんの?」
優しい彼の心に触れた。
そんな一瞬が、僕には宝物。
僕はかれの頬にキスを贈る。
「思わないよ。」
「えっ、だったら。なんで空ばっか見てんの」
意外そうに、寂しそうに、僕の答えを待っている。
愛しい彼を。
大切な想いを。
伝える為に彼に抱きつく。
「あのね、七夕の日にね、良く雨が降るのはね。彦星と織姫が願うから。一年に一度の逢瀬の日。どうか二人の幸せな時間をくださいってさ。その願いを神様が叶えてくれてるの。だから・・・
だから、僕は七夕の日は雨でも悲しくない。ね?二人は幸せなんだよ。」
にっこり笑顔を向けると。
顔に盛大なキスが贈られる。
「いいな、それ。」
「うん。幸せなんだ。」

お互いに抱きしめあって。
キスを贈り合う。
幸せな時間。

「あっ、七夕になった」
「今、二人が再会してんだな」

今はまだ、広い空には幾千の星の絨毯。
もう少し。
今度は雨の絨毯が空に広がる。
その時はもう、すぐそこだ。

二人きりになれたら、どんな話をするのだろ。
お互いの想いを伝え合うのだろうか。

幾千の星のした

「いま、同じ様なコトしてるんだろうな」

大切な愛しい君とキスを交わす。









2007/03/04
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