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 破壊願望
© 火澄 
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 R指定:---
 キーワード:浮気攻め×強気受け
 あらすじ:アイツから香る知らない匂いに、もう限界だと感じた。だから―――。
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ほら、またアイツからする、嗅いだことのない知らない香り。



―――もう無理だ。




「別れよ」

アイツの部屋に入ってすぐ言ってやった。目を見開いて本当に驚いた顔をするから少し笑える。

何、こう言われること微塵も予想してなかったわけ?

「は?……おい、どういう意味だよ」

「そのままの意味」

きっぱり言ってやり、まだ戸惑う相手に背を向ける。瞬間、滲み出す視界。

「バイバイ」


ドアを開く前に手を引っ張られ、倒れかける身体を包み込まれた。痛いくらいぎゅうぎゅうと抱きしめられる。

「やだよ!んで、いきなり…」

「いきなり?こうなること望んでたんだろ?」

俺と別れたいから、浮気なんてし始めたんだろ。

「ちげぇよ!望むわけがねぇ!!」

「……浮気ばっかしてる奴に言われたって信じれるわけない」

「それはっ……お前のためだよ」

「何が俺のため?浮気がかよ」

「お前を傷つけたくないから。……壊しそうで怖いんだ」

なんだよ、それ。こっちはあまりにも辛くて壊れそうだったのに。

とめどなく頬を流れる水。


「……壊せよ」


壊して、責任感じて、ずっとずっとお前のにしろよ。


俺の所有者は、お前なんだから。


end







2007/03/10
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