[
3]
MoCa
「篠原真希です。…よろしく」
まだ肌寒い風が吹く中、2年生へと進級した私は新しいクラスになった。
順番に自己紹介をしていき自分の番になると淡々とそれだけいって席につく。
自分の番が終わると、私の頭の中はもう他の事でいっぱいだ。だんだん眠たくなってきて窓の外の桜の木をただぼーっと見つめていた。
「…ぃ…おい!!」
はっと目を覚ます。
声のしたほうにゆっくりと顔を向ける。
「…だれ?」
まだ目覚めきらない頭を働かせて、そうつぶやいた。
見たことのない顔。
「これ…提出だから早く出せよ。」
やっと頭が働いてきてHR中であったことを思い出す。
「え…忘れた。」
「ふーん。」
それだけ言うと彼は自分の分だけ提出しに行った。どうやら隣の人のものとまとめて提出しているらしい。
私も人の事は言えないけど…ずいぶんと愛想のない人だ。
戻ってきて席についた彼の横顔をみつめる。
どちらかと言えばカッコいい部類に入るのだろう。
私はただなんとなく目が離せなかった。
「何?」
視線に気づいたのだろう。
「べつに…」
「ふーん」
それだけいってまた前を向きなおした。
私もまた外を見てHRが終わるのを待った。
:D902i
:12/01 22:12
[
4]
MoCa
「ねぇねぇ…」
休み時間になりひとりで携帯をいじりながら、座っていると突然声をかけられた。
「…何??」
「真希って呼んでいい??友達になろうよ」
「……」
私は咄嗟にでる言葉が思いつかず黙っていた。
苦手なタイプだ。
妙になれなれしくて、いかにも女の子って感じの甘い雰囲気。
「あたしは…悠ってよんでね♪」
「うん。よろしくね。」
わたしはなぜか悠と言う子のペースに乗せられてしまった。
あんまり好きじゃないけれどあまりに無邪気な笑顔を壊してはいけないと思った。
:D902i
:12/02 17:43