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友達と彼氏
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1]
みやび
小説です(*´∀`*)
浅間 紗希
あさま さき
倉野 大翔
くらの ひろと
日下 あゆ
くさか あゆ
崎本 梓樹
さきもと あずき
名前が出てくるのはこれくらい?
:N906i
:10/18 20:19
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2]
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「でさー……」
いつも通りの大学…
いつも通りの友達…
いつも通りの会話…
何も変わった事はない……
けど…
どうして貴方だけが輝いて見えるんだろう……
「浅間さん?どうしたの」
「わっ!!なんでもないよ」
倉野君の顔が近くにあってビックリして椅子から落ちそうになった。
それを見てみんなが笑いだした。
「驚きすぎでしょー」
「確かに」
「大丈夫ー?」
隣に座ってたあゆが手を差し伸べてくれた。
:N906i
:10/18 20:37
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3]
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「ありがとう、あゆ」
あゆの手を借りて体制を戻す。未だに心臓が高鳴っていた。
「そういえばこの前……」
倉野君がまた話を始める…
大体このメンバーでは私と倉野君が喋って崎本君とあゆが聞いてると言う感じ……
倉野君は一つ年上で大学に入る為に浪人をしたらしい。
話題が豊富でしかも面白い事が多いから休み時間中ずっと聞いてる事もある
:N906i
:10/18 21:44
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4]
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私はそんな倉野君が好きだったりする…
知ってるのは崎本君だけだったり…って言ってもバレちゃっただけなんだけど……
倉野君に伝えるつもりはない…
別に倉野君に彼女が居る訳じゃない……
私にとって今の関係が大切だから…
今の居場所が心地よいから…
だから言わない……
ただそれだけ…
:N906i
:10/18 22:04
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5]
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そんな事を思っていたある日、私は用があって遠出をしていた。
とは言っても電車に乗ってるのは2時間くらい、地元の大学に進学した私からは遠出に思えるだけなんだけど…
電車がとある駅に止まり人が乗り込んできた。
知らない人が空いてる席を探して座る…
何一つ不思議のない風景…
になるのが大半。
けどこの駅では違った。
「あれ浅間さん?」
「え?」
聞き覚えのある声に顔を上げた。
そこに立っていたのは倉野君だった。
「知り合い?」
私の隣に座った女の人が倉野君に聞いた。
:N906i
:10/19 12:22
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6]
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とても可愛い人…少し童顔なせいか年下に見える。
「大学のダチだよ」
「そうなんだぁ」
とても親しそうで倉野君の顔を見てると親戚でも友達でもない事が分かる……
とっても楽しそうな
私達と居る時とは違う顔……
彼女居ないって言ってたのに……
ふいに知った事実に涙が溢れてきそうになった。
けど必死にこらえた…
泣いたらバレちゃうから……
一緒に居れなくなっちゃうから……
その後は何を話したか分からない…
ずっと無理して笑ってたから……
:N906i
:10/19 12:32
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7]
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「お…次だ」
倉野君がアナウンスに反応した。
「そうなんだ」
「紗希ちゃんは?」
「私はまだ先です」
やっと解放されると思った。
「紗希ちゃん」
彼女さんに手招きをされ耳元でぼそっと言われた。
゙大学が違うから大翔が浮気しないか心配なの…だから大翔と話さないで゙
「お願い……ね?」
ウインクをされて断れない事を悟った。
諦めるにはちょうどいいかもしれない……
けど…
今まで一生懸命守ってきた事は水の泡……
:N906i
:10/19 14:41
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8]
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彼女さんは不安の種をなくしたいだけ……
気持ちはわかる……
不安の種は少ない方がいい……
「……分かりました」
好きな人の幸せの為に諦める事も大切なんだ…
私は頷いた。倉野君だけがキョトンと見ていた。
「何の話だよー」
「ガールズトークだよぉ」
腕に抱きつかれされるがままの状態だった。
「…は…はい」
「何だよそれー」
「駅着いたよ!ばいばい紗希ちゃん」
彼女さんが倉野君を押しながら出ていく…
二人が出た瞬間発車ベルがなりドアが閉まった。
まるで諦めなさいと言うように…
:N906i
:10/19 16:45
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9]
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次の日になった…
今日は大学行きたくない……
泣き腫らした目に寝不足のだるい身体…
昨日は一晩中泣き叫んだ。親に気付かれない様に枕に顔を押し付けて……
声もガラガラに枯れていた…
「…行ける訳ない…」
あゆにメールをした。風邪をひいたと嘘をついた…
好きになるのは簡単だけど諦めるのは大変なんだ……
ふいに聞き慣れた着信音がなった……崎本君だった
「もしもし?」
「うわっ…すっげー声してんじゃん大丈夫か?」
いつもの優しい口調…電話の時になるなんでも聞いてくれる優しい声……
:N906i
:10/21 15:47
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10]
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「…うん……まぁ」
「聞いたよ。倉野の事…今日来れないのはそのせいだろ?」
「…うん」
崎本君にはお見通しだ…
「……あんまり休むなよ?俺でよかったら話聞くし」
「うん…ありがとう」
「じゃあそろそろ講義だから…」
「うん…ばいばい」
電話を切って携帯をベットに投げた。
ありがとう…崎本君…
きっと倉野君から聞いて心配してかけてくれたんだ……
こんな時にふと思う……
なんで崎本君を好きにならなかったんだろう……
:N906i
:10/21 17:17
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