きみがす記、
[1]銀
なんでもないことが嬉しかったり、些細な出来事が悲しかったり。

好きになったらいけない人だけど、いつからかあなたの存在は僕の中で大きくなりすぎた。

すきだと言うことも今はもう許されないけど、仲良しであることに変わりはないと言ったあなた。もう少し、愛を向けていてもいいですか？

あなたが僕より年上で、守るべき家族がいるとしても、わかっていても、一番になれないと割り切っていても、それでもね、今はまだ。



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[18]銀
それにしても体の痛みが半端ない…殴られた肩が案の定痣んなってら。

早く月曜日にならんかな。家にいたら殺されるんじゃないかと思う。

来週は僕が夜勤であなたが日勤やからシフト合ってないけど、少しでも顔見れたらいいな。

[19]銀
日勤で休憩に行くあなたと夜勤で入りの僕が、いつものようにばったりを装ってトイレで会う。

挨拶交わすくらいだったけど、ぽんぽんって頭撫でられて。

仕事が始まって、残業のあなたと休憩から上がる僕が会う。

なでなでって優しく撫でられる。

お昼休憩に携帯見たら、トイレで顔見たら抱きつきたくなったって。



なら、さ。

明日のばったり、期待してもいーの？

僕、今精一杯あなたに片想いしてるよ。関係は変わっても気持ちは延長線上やからね、なにされたって嬉しい。

[20]銀
あんまり寝てなくて、せっかく顔合わせてもちょっと不機嫌っぽくなっちゃったね。

あなたはそれでもほほえむから、僕は本当に救われてることを実感。

それと同時に、すきって気持ちも改めて再確認できる。ほっといたらいつか痛みと一緒に消えると思ってたけど、そんな簡単な気持ちじゃないってことは自分が一番良く知ってた。

[21]銀
土曜日は休みだそうで、今日も顔合わせてないし明日会わないと結構キツい、…かな。

来週は夜勤でかぶるけど4日間だけだしな。それでも十分楽しみだけどさ。

[22]銀
ゆっくり焦らずまたあの頃の関係にって言われて曖昧な温い関係を少し続けてきて、今。

今もすきだし、

今日交わしたメールの文の中に、すきの文字。

壊れてからはそういうのが無かったから、だから僕は不安だったのかもしれなくて。もやもやしてすっきりしなかったのはきっと、あなたの気持ちを言葉でちゃんと表してほしかったから。今でもすきだからって、そう言われたくて言われなくて、だから不安定だったんだ。

すきじゃなくても嫌われたくはないから遠回しな言い方してすいませんって言ったら、今もすきだし嫌いになんかならないからストレートに言っていいよって言われた。

僕はまた、あなたに惹かれてる。で、壊れた関係が少し修復したと思ったんだ。

[23]銀
今もすきだしって言われて、やっぱり狡い僕はあなたに、僕のことすきなんですか？って聞き返した。

そしたらね、そりゃすきでしょって。

想いは離れてなんかなかったみたい。火曜日からの夜勤、あなたと一緒だからすごく嬉しいよ。

[24]銀
久々に抱き合っても、あなたの意思じゃなければ意味が無い。

例えば、抱き合いたいの？って聞かれたわけじゃないけど、そうしてから抱き合う、みたいな。それは少し違う気がするんだ。

僕のわがままに付き合ってくれなくていーんだよ。無理されてる方が、触れ合えないことよりずっとずっと悲しいんだ。

出来れば同じ歩調で歩きたいのに、僕はいつも駆け足だね。

[25]銀
今日はあなたがお休み。金曜日は僕が休み。だから３日間しか会えない。

またシフト合わなくなるみたいだし。

恋人は地元に帰って、今は一人暮らし。

寂しいのに、ね。思い出すのはあなたのことばかり。

[26]銀
会いたい。

会いたくて仕方ないんだよ、あなた。

早く明日にならんかな、とか。

[27]銀
会話は今まで通りでも、明らかに減ったメール。

特にメールで話すほどのネタも無いし、それはなんかあった時だけでいっか、てなった。今までは毎日してたのに。

今日だって、あなたは夜勤だからいないってわかってるのに、もはや無意識で探してるんだよ。

[28]銀
久々。

あれからは特になんも大きなことはなくて、でも、メールはなんかあった時だけってあなたから言ったわりにはあなたからよくしてくれるし、なんだかんだで僕からはメールしてないですよね？期待さすん得意やから困る…けど、やっぱり相変わらずあなたがすきだからやにならん。

段々と蟠りもなくなってきて、それでもさっぱりシフトは合わんけど。僕が入りん時は大体通り道ん通路で待っててくれたりするし、この前は、恋人じゃないけど私のだからって、そんな所有物宣言卑怯にも程がある。嬉しくて仕方ない僕はどうしたらいいんですか？

こうやってまた少しずつ、楽しかったあの頃に戻れたらいいのに。

僕は今だってあなたのこと想ってるんだから。

[29]銀
でも、でもさ、もう僕忘れちゃったよ。

あなたの、肌のぬくもりとか。やわらかさとか。だいすきな匂いとか。

あんなに触れたのに、もうわからない。もう触れられないんだろうなってことも、痛いくらいわかってるんだ。

[30]銀
昨日は休みだったあなたと今日久々に会って、手洗い場で会って挨拶したら、僕の頭粘着ローラーでころころしてさ。端から見たら、だいぶ仲良し。そういう目で見たらいちゃついてるようにも見えるかな。

で、今日はタイミングもばっちりだったのかエアーシャワーもふたりで入れたし(定員3人)、あなたの部署の前であなたが入場記録の用紙にチェック入れてる間、数歩先に歩いてたら後ろから追いかけるように走ってきてくれたし。

エアーシャワー入る前もなんやにやにやしとるから、なににやにやしてんすかって聞いたら、中に入ってから、わかるでしょ？って。いいように解釈していいの？

久々だから、少しのことでも嬉しい。

嫌いになってあげられんでごめんなさい、なーんちゃって。

[31]銀
大丈夫、もう忘れられそうだよ。

あなた無しの笑顔なんてあり得ないと思ってた。いつだってうまくいかないことで泣いてた僕。笑顔になれるのは、あなたがいてくれたからなんだ。

だけどもう、僕は笑える。あなたがいなくても。あなたももう、僕を見てくれてはいない。

ちょうどいい、親離れみたいなもの、かな。

あなたが僕を見てくれなくなったのと、僕があなた無しでも笑えるようになったの、さて、どちらが先なんだろうね？

もう僕はあなたに近付かない。

[32]銀
休憩に行く時、休憩上がりのあなたと会った。

いつもみたいに通りすがりでハイタッチするために手を出されたけど、冗談っぽく笑って誤魔化しながら避けるフリをしてみた。フリをしたフリ、みたいなフリ。あれ、意味わからんね。本気で避けたけど、冗談っぽくしたって意味。

なんか、拍子抜けみたいな顔してた。笑顔だったけど。

あなたと一緒に来てたあなたと同じ部署の人(この人とあなたと僕は結構仲良し)も僕に、ちゃんとタッチしてあげなきゃだめだよー、なんて笑って言われて。

でも僕、あなた絶ちするんだ。

もう忘れたいから、もう馴れ合わない。