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かげふみ、あそぼ
by 高橋初真 
ｷｰﾜｰﾄﾞ:鳴門。ナルト×サクラ。
▼一番下へ飛ぶ
サクラはナルトの影を踏む。
後ろから、頭の方をひっそりと。
踵に力を入れて、ぐっと踏みつける。
もうどこにも行かないでよと踏みつける。
ナルトがくるりと振り返った。
サクラは、ひそり、息を詰める。
恐かった。
怖かった。
目には見えない独占欲を知られたよう。
気付いてよと思うのに、振り返らないでと願うのは。
あなたがとても大切だから。
あなたの足手まといにはなりたくないから。
矛盾している。とても。
ナルトが微笑む。
愛しさが溢れる。
優しい笑顔。
ナルトがサクラに背を向けて、駆け出した。
サクラを残して、此の世の矛盾と戦う為に。
すぐさまサクラは追い掛けようとしたけれど。
一歩も踏み出せずに終わる。
今はない、ナルトの影を踏みつけたまま。
サクラの足は動かない。
好きなのと、言葉に出来たなら。
影縫いを羨む心は生まれない。
真白な道。
ナルトの影はなくなった。
いないのだと思ったら。
サクラの瞳から、ぼろりと零れ落ちた。
それは涙なのかもしれないし、愛しさなのかもしれない。
或いは、その両方。
ぼろぼろ、サクラは立ち尽くす。
end.
2009/06/21
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