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snow die.(THEビッグオー、ロジャ×ドロ)
by めいか  
R指定:---
キーワード:ビッグオー
あらすじ:40年前に起きた“何か”により、記憶(メモリー)を失った街、パラダイムシティ。ここが私の舞台。 私の名はロジャー・スミス。交渉人。 アンドロイドのRドロシーと出会い、舞台の幕は上がる。 この邸のルールは、“黒い服を着る事”
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この街に青空など有り得なく、いつも厚い雲が空を覆っている。
おかげで太陽などというものは、記憶を失った40年前からお目にはかかれていない。

「ドロシー」

私は、テラスの手摺りに腰をおろしている少女の名を呼んだ。
Rドロシー・ウェインライト。
40年前に起きた“何か”に巻き込まれ死んだ少女をモデルに、一部の記憶(メモリー)を取り戻した彼女の父親が作った機械。

鷲色のステップボブが軽く風に揺れ、漆黒の瞳が私を捉えた。

瞳を縁取る長いカールが伏せられる事はなく、彼女の薄く小さな唇がゆっくりと開く。

「どうかしたの?」

どうかしたの。とはまた無愛想なものだが、これが彼女らしい事でもある。
…言葉以上に彼女の表情が無愛想なのだが、それを言うと私は丸一日彼女に口をきいてもらえない。

「用は無いよ。
無い…が」

私は彼女の体を後ろから軽く抱きしめ、肩に頭をのせた。

彼女の手が伸びてくる。
青磁器の白さ。温もりの無い体。

彼女は亡霊だ。本当は存在しない。

怖い。感情が彼女に伝わったのか彼女は静かに私の髪を撫でつけた。

「貴方はまるで子供ね。
我が儘で意地っ張りで…怖がり」

「君のせいだ」

彼女は私でもあるのだから。


…NO SIDE.


2007/01/22
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