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Globe amaranth:S.D.KYO:螢辰
by 夏氷  
R指定:---
キーワード:S.D.KYO 螢辰 シリアス
あらすじ:螢惑×辰伶(長編の一部) 日向者である辰伶を憎んでいた螢惑。しかし共に過ごすうちに心惹かれるようになる。ある日、螢惑は唐突に「大嫌いだ」と告げられ‥‥
▼一番下へ飛ぶ






オレは




あいつが嫌い





あいつに嫉妬し





憎んでる










あいつの髪が




あいつの笑顔が




あいつの存在が









オレを苛立たせる





だから嫌い













でも













あいつの


名前を呼ぶだけで







あいつの事を


思い出すだけで









なんで







なんで











こんなにも







胸が










あたたかい












どうして‥‥?












――――





母親が死んでから一年、奴に命を狙われ続けたオレは突然奴に引き取られた

下人見習いとして

オレの生まれ
―奴の妾の子という事実―
を隠して


もちろん禄(ロク)な生活はしてなかった

与えられるのは、寝床と最低限の衣服だけ
食料は自分で調達して、自分で作った、食えるようなものじゃないけど、どうでもよかった

オレは、オレの一番大切なモノを奪った奴に、最後に残った己の命と形見の刀を使って復讐を遂げるため、強くなりたいと思った


そんな風に毎日卑屈に過ごしてた時、あいつはオレの前に現われた


前から、あいつの話はよく聞いてた
顔は知らなかったけど

日向者で、何も知らないでのうのうと暮らしてる




大嫌いなあいつ







「君、誰?どうしてこんな所にいるの?」


銀髪の少年はボロ小屋の前で座り込む金髪の少年に不思議そうな目をして問いかけた


「‥‥お前こそ、誰?オレはここに住まわさせてもらってんの(本当は住まされてるけど)」

「ここに!?こんなボロボロなのに?」


ボロ小屋を指差しながら、驚いたように銀髪の少年は言う


「うん、てきとーに雨風防げればいいし‥‥」

「そうなの?」

「うん」


二人の暮らす環境の差が滲み出るような会話をすると、微妙な空気が流れた

そんな事を気にもとめず声をかけたのは銀髪の少年だった


「あっ、あのねっ、僕、辰伶っていうの!君の、」

「辰伶様ー!」


遠くで誰かが銀髪の少年=辰伶を呼んだ


辰伶‥‥!こいつが?


「あっ、行かなきゃっ、‥‥ねぇ、また‥‥来てもいい?」


辰伶の懇願するような目が金髪の少年に注がれる


「え‥‥うん、いいよ」


それを聞いた辰伶は微笑むと、またね、と元気に言って走って行った



「‥‥辰伶‥‥」


あいつがオレの異母兄‥‥
やっぱり何も知らないんだ‥‥
あいつは‥‥



ムカツク‥‥



金髪の少年の中をどす黒い感情がじわりと満たす

少年の瞳はさらに曇っていった



――――

続きはサイトにてm(__)m






2007/04/04
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