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裏切りの報酬(ティキ夢)
by 香月美愛
R指定:無し
キーワード:Dグレ・ティキ
あらすじ:1ページ完結の短編だからナシで!
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欲しいものはいつだって
必ず手に入れてきたから
さらり。
砕かれて砂と化した六幻が風に舞う。
最後の一粒が落ちると同時にニヤリと口角を吊り上げて、ティキはゆっくりとでも着実にわたしとの距離を詰めた。
「あれ、ショックで立てなくなっちゃった?」
流れるように優雅な動作でわたしの前に跪くティキ。
でも、わたしの視界に映るのは倒れたままピクリとも動かないユウの紅い背中だけ。
『…ユ…ウ…』
「そんなに好きだったんだ?」
可愛いね、そう言って頬に触れる真っ白い綺麗な手袋に覆われた指を思いきり払いのける。
パシン、乾いた音がした。
『さわんないで…!』
「つれないね。ま、そこがまた可愛いんだけど」
でも、と一旦言葉を切ったティキの目が狂気の色に染まる。
「そんな口きいてるとほんとに殺しちゃうよ、彼氏」
『……っ……!』
むせかえる程の殺気に息を忘れる。頭の奥に心臓があるみたいに脳が圧迫されて、耳鳴りが酷く煩い。
「アイツ見逃してやるからさ、その代わり」
俺のになってよ
もう一度伸びてきた長い指が目尻をそっと拭ったことで、初めて視界が歪んでいたことに気付く。
わたしにはその手を再び払いのけることは出来なくて。
満足げに弧を描く唇に呼吸を奪われても、もう何も感じることはなかった。
裏切りの報酬
(また俺の、勝ち)
毎度お粗末さまです、すみませ…!
でも一度足をお運びいただけたら嬉しいです´`
読んでくださった皆様、ならびにスペースをくださる管理人様、本当にありがとうございました!
♪
2007/04/04
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