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嫌いな雨
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あらすじ:※他サイトもやっています。(前のを見ればURLわかります)画像リク等あるので来て、見てくれたら嬉しいです。コメント待ってます。
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傘を忘れたと言うお前に俺は傘があるのだが、それを言えずに靴箱で立ち止まる。
「帰らないのか?」(知ってて聞くのか俺は)
苦笑した顔に気付かず視線は正面のまま『うん』と返された。
「そっか‥」
会話が続かない。俺は仲間なら聞かなくても返され喋るが実際は、苦手だ。
『…ねぇ。雨すき?』彼女は振り向くなりそう訪ねた。俺はう、ん。と返事を返してしまった。
嫌いなのに。
『そっか…』
彼女をみつめれば彼女はその言葉を繰り返し微笑む。
「あ……あのー」
『私ね、黒崎君と話せたから雨が好きになったの今』
伸びた手がゆっくりと下がり、言葉を理解すると頬が熱を帯びた。
「…じかよ」
彼女は何?っといった顔をしていて下がった持ち手から鞄の中身が見える。
(くそぉっ)
一瞬顔を歪めだがチャンスだなと近づき持ち手を上げると同時に「バサッ」と音を立てた。
『えっ一「帰るぞ」傘に入れるなり前に進む。
本当は嬉しかった。好きな女子が居て。
初めての会話が俺の名を呼んだから。
雨が嫌いなのに好きになりそうで、認めたくないけど足はいつもよりゆっくりとしか進まなかった。
「傘やるよ‥じゃ明日なッ」
『ぁっ‥……あ、明日!!』
塗れて走る。
なのに顔は笑いそうだった。
(…明日か)
「ただいま!!!」
【ずぶ濡れじゃないお兄ちゃーんッもう】
顔を拭いて見る窓辺の雨はいつもと違く見えた。
嫌いな雨なのに。
俺は違く見えた。


2007/06/24
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