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共にあるために(カカイル)
by みづほ
R指定:---
キーワード:カカイル
あらすじ:任務先で行方不明となったイルカと、そのイルカの帰りを待つカカシのお話。
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「イルカ先生…」
自宅の玄関前でイルカを見付け、カカシは目を見開く。
「いつから待っていたんです?あぁ…手がこんなに冷たい…」
カカシはイルカの手を取り頬に寄せ、イルカへ温もりを与える。
「中に入りましょう?」
カカシが穏やかに微笑みを浮かべれば、イルカは困ったように笑顔をつくる。
「俺、部屋の中には入れないんです」
「どうしてです?」
二人は玄関先でしばし沈黙する。
「生の無い者は生の溢れる場所には入れないんです」
「あぁ…」
イルカの言葉にカカシは納得したように呟き、次の瞬間にはイルカを抱き締めていた。
「あの世から会いに来てくれたんですね?」
イルカが行方不明になってから四年の月日がたっていた。
死体はいまだ見つかっていない。
「カカシさん…」
「んー?」
「一人じゃ川を渡れないんです…」
「俺が一緒に渡りますよ」
「…いいんですか?」
「だってイルカ先生…」
俺を迎えにきたんでしょう?
「勿論、御供しますよ」
カカシがイルカに口付けた瞬間、二人は静かに闇に溶けていく。
「もっと早く迎えにきてくれればよかったのに」
カカシの囁きは風に舞う木の葉と共に闇に消えた。
その後、二人の姿を見た者はいないと言う…。
2007/01/18
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