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[1] あめ。
By 紅魚
05-02 20:26
水の、匂い。
ぬるんだ空気、吸い込んで、
喉許、融点。
溜め息。
沈みがち、流動可視性気体、
渦巻きながら、空、隠すから、
泣きたくなって、爪を、噛む。
(むこうがわはあたたかいなんて、なかなかうまくのみこめないし、
のどもとすぎれば、わすれる、し)
首を巻く温い風が、酷く、優しい。
真綿みたいな、神様の、嘘。
(だって、ふかれても、ゆれる、だけ。どこへもゆけない)
音。
百八世界が【し】で充ちる。
まばたきの半分、の半分。
身構えなくちゃ。
傘、なんてない、
いつだって。
はじまりの一粒は、いつも、人肌の温み。
ゆわ、と滲んで、
入り込むから、きらい。
駆け込んだ窓越しに見た、紫陽花は、潤う程に、色彩を、鮮やかに、踊らせて。
曇らせられた窓に、花咲かせるネオンの点灯、待ち合わせは独り言に乗せて、少女は顔を滲ませた。
(そらに、かみさまはいない。かみさまなら、なかない)
雨森、夕暮れ時に傘クラゲ、硝子細工の様に形作る。
そこには、仕方無く並べられた、グラスの奏で。
波紋は広がり、伝えるのでした。
(零れ、る前、に、隠して、あげ、る。)
小瓶に詰めた、何気ない日常はきっと海に続いてて、指を摺り抜け、何一つ掴めやしない。
暮れ切った深海の街、
泳ぐつもりでつぃ、と、指先、
走らせた硝子ははじっこから泣いてゆく、
から、溜め息、
また、溜め息の上塗り、
(でもね、きえないの。きざんだなら、けせないの。)
鈴の音の優しさは、濡れた肩をよりいっそうに冷やし、独り言は雲の上。
グラス透かした窓の先、
色増した紫陽花、
転がす露、踊る、遊ぶ。
夜の、手招き。
手、伸ばしても、届かないけれど。
(そうね、かみさまはないても、花、なら、なかない。)
傘クラゲ数えて、笑ってみせた
***
くれをなりに、
いじってみました。
これ、
好きにしちゃってください、
椿さん。
810SH
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