</font>や</b>の記載忘れがあるとページ表示の崩れなど様々な問題が発生してしまいますのでご注意願います。

名前の重複は不可です。検索機能を使って既存PC様や記載されたNPC様のお名前と被っていないか事前に確認してくださいますようお願い申し上げます。
名前の重複不可は愛称も含まれます。PC名簿の確認もお願いします。


投稿


[ 1 ] ヒューリズィリー・チュムヌ
By ツキユリ

名簿に記載していない設定や補足など、色々。

■目次■
>>2 :【既知設定(全体・個別)について】
>>3 :【経歴について】
>>4 :【万魔人について】
>>5 :【『語られぬ者』について】
>>6 :【現副長について】

** 投稿日時:2023.01.22 01:42 ** [ 編集 ]
[ 2 ]
By ツキユリ

【既知設定(全体・個別)について】
・全体
氏名、容姿、肩書き(冒険者)はどなたでも既知可能な情報です。
肩書き(『語られぬ者』総長)はフォルテラ聖王国宰相と『語られぬ者』副長であれば、邂逅の有無問わず既知可能な情報です。
上記以外の方は「本人から聞いた(ロル内で)」「フォルテラ聖王国宰相、もしくは『語られぬ者』副長から聞いた(ロル内で)」「人づて(その情報を知っているPCからロル内で)に聞いた」のいずれかの経緯から既知可能となります。
上記以外の情報については、個別に既知設定を結んだ方以外は「本人から聞いた(ロル内で)」「人づて(その情報を知っているPCからロル内で)に聞いた」のいずれかの経緯から既知可能となります。

・個別
※現在無し

** 投稿日時:2023.01.22 01:42 ** [ 編集 ]
[ 3 ]
By ツキユリ

【経歴について】
表の顔は聖都ヴァレンシアの冒険者ギルド本部に籍を置く冒険者として、裏の顔はごく一部の例外を除き誰もその実在を知らない秘密組織『語られぬ者』の現総長として活動する、万魔人と名付けられた人工生命体(ホムンクルス)。
『ミシュドガル戦役』の最中に開発、製造されるも殆ど稼働することの無いまま、大陸北部のとある平野に存在する地下聖堂の遺跡に安置された保存装置の中で長い時を眠り続けていたが、今から二十年前に当時の『語られぬ者』総長であるネイワルド・チュムヌが、組織の情報網によって発見された件の遺跡を調査するために彼の地を訪れたことで発見、保護される。目を覚ました直後はヒューリズィリーという名前と自身が持つ力の一部についての記憶、後は文明社会で生きていく上で最低限必要とされる程度の知識しか持っておらず、感情表現はおろか言葉を発することすら出来ない状態であったが、ネイワルドがこちらに話しかけてくる言葉を聞くことで言語の扱い方を習得すると、貪欲とも言える積極性でもって書物と質疑応答による学習を繰り返しながら知識を蓄えていき、保護されてから二日が経過する頃には社会に高いレベルで適応出来るようになる程の成長を遂げる。その後は自分を養子に迎え入れてくれたネイワルドに連れられて聖都内の様々な場所を見て回ったり、他の町や村、山や森といった自然地帯、演劇や美術品といった芸術文化……等々、多種多様な価値観に触れたりして情操を養うことで、少しずつ心に感じた思いを喜怒哀楽として表現出来るようになっていく。そしてそういった経験を重ねていくにつれて、もっと多くの人と交流したり未知なるものを探求したいという思いが強くなっていき、最後はネイワルドが送ってくれた「心の赴くままに、生きることを楽しみなさい」という言葉が決定打となって、冒険者としての道を歩むことを決意する。

ヒューリズィリーが養父の持つ裏の顔を知ったのは、冒険者となって四年が過ぎた頃。怪しげな集団に連れ去られた娘を助け出してほしいという依頼を受けて集団が根城にしている建物に潜入、途中までは上手く事を進めていたのだが、些細なミスと不慮の事態が重なってしまったために身柄を拘束され、隠し扉の先にある地下牢に繋がれてしまう。地下牢には自分と依頼主の娘以外にも多くの若い女性が捕らわれており、彼女達の話からこの集団は自らを『赤き耕夫』と名乗っていること、フォルテラ正教には存在しないアーゴンという豊穣神を信奉していること、そしてかの神に捧げる供物となる若い女性の生き血を集めるため、目星を付けた女性を言葉巧みに騙してはここに連れ込んで捕らえるといった行為を繰り返していることを知る。話を聞き終えて『赤き耕夫』の身勝手かつ悪逆非道な振る舞いに強い怒りを覚えるが、捕らわれの身である自分に出来ることは何も無く、悔しさと己の至らなさに歯噛みしながらも決して諦めず、何かこの窮地を脱する方法は無いかと全力で思考を巡らせていた時、隠し扉が開く音と共に地下牢へと誰かが降りてくる足音が聞こえ、『赤き耕夫』の信徒がやって来たかと身構える――両腕は天井から吊るされた特殊な仕掛けの鎖(強引に壊したり外したりすると、同じ鎖に繋がれた他の者達に致死レベルの電流が流れるようになっている)に繋がれ、両足には魔力を吸収する重りのついた足枷を嵌められていたので、睨むことぐらいしか出来なかった――が、曲がり角の向こうから現れた足音の主を視界に捉えた瞬間、予想だにしない出来事が起きる。

「お、お父さん――!?」
「……リズィ!?」

見たことも無い衣装に身を包み、更にフードで目元が隠れていたが、それでも心から慕い敬愛する相手を見違えることなどある筈も無く、あり得ない場所であり得ない相手に遭遇したことで驚愕に固まる養女に対し、同じ理由で動きを止めた養父はしかしすぐさま驚愕から立ち直ると、捕らわれていた女性達を解放して建物の出口まで誘導し、振り返らずに走れと告げて全員を逃がす。そして最後までその場に残っていたヒューリズィリーに「話は家でしよう」とだけ告げると、ネイワルドもすぐにその場を立ち去る。一人残されたヒューリズィリーは未だ驚愕と混乱から立ち直っていなかったが、それでもこれ以上この場に居続けても意味は無いことぐらいは理解出来たので、すっかり人気の無くなった――捕らわれていた者達は勿論のこと、『赤き耕夫』の信徒達も全員居なくなっていた――建物から立ち去り、寄り道せず家に帰る。そして暫くの後、何時もの見慣れた格好で帰って来たネイワルドから、彼の持つ裏の顔である『語られぬ者』についての話を聞き、輝聖騎士団の武術指南役である養父が長きにわたりフォルテラ聖王国を密かに守り続けている組織の長として、今回のように騎士団の目を掻い潜って存在する"悪"と戦い続けていたことを知ると、敬愛する養父のため、美しいこの国のため、そして地下牢で見た彼女達のような理不尽に奪われ虐げられる者達のために、自分も養父のように戦いたいと『語られぬ者』への入団を願い出る。そんなヒューリズィリーの願いに最初は養女の身を案じて難色を示していたネイワルドであったが、最終的にはヒューリズィリーの熱意に根負けして「副長の下で修業を積み、彼女に実力を認められるようになったならば、『語られぬ者』への入団を認めよう」との条件付きで首を縦に振り、対するヒューリズィリーもネイワルドから出された条件を一も二も無く受け入れると、すぐにネイワルドから当時の『語られぬ者』副長、バエニュー・グレアムを紹介してもらい事情を説明、彼女からの承諾を得て修業を開始する。

「――おやおや、この程度で音を上げるとは随分と貧弱だね」
「ひ、貧弱じゃないですー! 修行の内容がおかしいだけですー! 何ですか、50kgの砂袋をセオって足音をタてずに壁をハシれって! そんなことはグレアムにだって無理でしょう!?」
「はン、舐めんじゃないよ馬鹿弟子。アタシなら仮に100kgの砂袋を背負っていたとしても余裕だよ。何だったら天井でも走ってやるさ」
「常識と物理の法則はどこにいったんですかー!?」
「そんなモンはとっくの昔に焼いて食っちまったよ。さあ、何時までもピーピー喚いてないでさっさとやりな!」
「ひぃぃ……!」

活きのいい弟子をいい笑顔で容赦無く鍛え続けるバエニューと、師匠から連日繰り出される非常識(かだい)に悲鳴を上げながらも全力で取り組み続けるヒューリズィリー……そんな、八年間続いた二人の師弟関係は、副長を辞任したバエニューが「コイツはもうアタシを超えてるよ」とヒューリズィリーのことを認め、己の後任に推薦したことで終わりを告げる。そうして『語られぬ者』副長となったヒューリズィリーは、総長である養父の右腕として組織の運営や聖務を精力的にこなし続けることで知識と経験を積み重ねていき、副長就任から六年が過ぎる頃には組織内で並び立つ者が居ない程の実力者となる。そんな養女の成長ぶりに時代の変遷を感じ取ったネイワルドは、今の彼女ならば必ずや組織を次の時代へと正しく導いてくれるだろうと、総長の座を退いてヒューリズィリーに後を託すことを決める。

「リズィ、これからお前の立場は大きく変わることになる。だが、だからといってお前が自分の何かを変える必要は無いんだ。今までそうしてきたように、これからも心の赴くままに生きることを楽しみ――そして、心の赴くままに己が信条を貫き通しなさい」
「ああ、コイツもアタシも別に、アンタに総長としての生き方なんてモンを求めている訳じゃない。アンタの生き方そのものこそが総長として相応しいと言ってるんだ。だから――気負わずおやり、アタシが認めた愛(ばか)弟子」

――何十年にもわたり『語られぬ者』を率いて戦い続けてきた養父と師匠からの、深い信頼と大きな期待が籠められた激励を胸に抱きながら、ヒューリズィリーは冒険者と『語られぬ者』総長という二つの顔を有する生活を、今日も全身全霊で謳歌している。

** 投稿日時:2023.01.22 01:43 ** [ 編集 ]
[ 4 ]
By ツキユリ

【万魔人について】
万魔人の開発計画がスタートしたのは『魔導ホムンクルス』開発計画の始動から数ヶ月経った頃。開発者は『魔導ゴーレム』の開発にも携わっていた、レナウェルという姓のハイエルフの男性。名は不明。
周囲の疑問や不安を無視して『魔導ホムンクルス』開発計画が推し進められていたある日、積極的賛成派の一人であったレナウェルがいつものように『魔導ホムンクルス』の製造に携わっていた時、ふと一つの着想を得る。それは「現在『魔導ホムンクルス』の製造には多系統種族の因子を素材として用いているが、これを単一系統の種族――例えば魔族に属する種族の因子のみに限定してみたらどうなるのか」というもので、自分が思いついたことに対してとても面白そうだと感じたレナウェルはすぐに開発計画を立てて実行に移ろうとするが、「この計画(たのしみ)を独占するのは贅沢というか、ちょっと勿体ないかなあ」と知り合いの中で以前から目を付けていた数名の内、二人に声を掛けてみるも一方(R・レナウェル研究員)からはあっさりと、もう一方(S・オートゥモールド博士)からは辛辣に断られてしまう。

「んー、パス」
「『魔導ホムンクルス』の開発について断固として反対している私に、何の迷いも無くそんな話を持ち掛けてくる神経が理解出来ないわ。言葉を選んで聞くけど頭大丈夫?」
「うーん、残念。……では、勿体ないけど一人でやるぞう! ふふふ!」

レナウェルとしては百パーセント善意のつもりで声を掛けたのだが、どうあれ断られてしまったものは仕方ないと気持ちを切り替えて、個人で所有している秘密研究所の一つにて『魔導ホムンクルス派生モデル・魔族因子特化型』――企画名称"万魔人"の開発及び製造に着手する(尚、本来は声を掛けるつもりだった相手がもう一人(L・S・フォルテラ博士)居たのだが、先の二人に立て続けに断られてしまったことで「彼に声を掛けてもきっと同じように断られるだろうなあ」と判断し、早々に諦めて声を掛けることはしなかった)。
『魔導ホムンクルス』の時は素材を調達する際に、相手(当人や関係者、種族の代表者など)の同意を得るため交渉だの何だのと色々手間が掛かっていたが、今回は容易かつ幾らでも素材を調達出来る状況だったので――何せちょっと外を出歩くだけで、サンプルとなる魔族の死骸をダース単位で手に入れられるご時世なのだ。勿論、高位魔族の因子となれば入手するのにそれなりの手間は掛かったが――『魔導ホムンクルス』の製造技術を万魔人用に改変する作業も含めてその後の開発作業はスムーズに進み、十体目(さいご)の『魔導ホムンクルス』が完成したのと同時期に万魔人の製造が完了する。

元々は己の思いつきに対する好奇心を満たすことが目的であり、作り出した万魔人を使って何かをしようという考えは無かったので、目的を果たして満足した時点で自身の万魔人に対する興味関心は綺麗サッパリ消失するだろうと兼ねてから予想(かくしん)しており、故に当初の予定では製造した万魔人は稼働させずに研究所ごと処分するつもりでいたのだが、最後の『魔導ホムンクルス』をサザランズ遺跡に封印することが決定したと聞いた時、新たな思いつきが頭に浮かんだことで予定の変更を行う。

「遠い遠い、訪れるかどうかも分からない何時の日か、封印された『魔導ホムンクルス』が目覚めた時。似て非なる存在である万魔人(きみ)が偶然同じ時代に目覚めていて、お互い何も知らないままに偶然どこかで彼女と出会うことがあれば、きっと面白いことになる……かもしれない、かな? どうかな?」

万魔人を処分するのではなく『魔導ホムンクルス』と同様に封印……という程大層なものではなく、どこか人目の付かないところに置いておくことにしようと考え直したレナウェルは、処分しないのなら折角なのでと万魔人を稼働させて一度だけ性能テストを行い(その結果、クシール丘陵と呼ばれていた土地がその場に居た多くの魔族とカルドニア混成軍ごと消滅し、後にクシール枯渇湖と呼ばれるようになる巨大なクレーターと化した)、それを終えると最低限の記憶と知識以外をフォーマットした後に停止させた万魔人を保存装置へ格納する。そして、昔フィールドワークの最中に発見した地下聖堂の遺跡へと向かい、かつては何らかの偶像が祀られていたのであろう、中央にある台座の上に保存装置を安置すると、中身の解放と装置の機能停止に関する設定――定められた基準値以上の知性を持った生物、つまり人間または類似の種族がこの場を訪れたら、装置内を満たしている保存液を排出した後に万魔人を装置の外へ解放。それが済めば装置は自動的に機能停止、と同時に構成部品の全てを塩へと変換処理。先に排出された保存液は空気に触れた瞬間ただの水と化すため、後に残るのは大量の塩水のみとなり装置の再利用や解析は一切不可能となる――を行ってその場から立ち去る。……これ以降、レナウェルがこの遺跡を訪れることは一度も無く、どころかこの日の出来事を思い返すことすら無いまま、やがて時間の経過と共に万魔人に関する記憶は「そんなこともあったなあ」という程度のぼんやりとした思い出に変わり果てていく。

こうして、開発者からすら一切の興味関心を向けられなくなった、ましてや誰かの記憶や何かの記録に残っていることなどある筈も無い万魔人という存在は、最後の『魔導ホムンクルス』と同じく長い長い時を眠り続けることになる――遠い遠い、訪れるかどうかも分からない何時(うんめい)の日まで。

** 投稿日時:2023.01.22 01:43 ** [ 編集 ]
[ 5 ]
By ツキユリ

【『語られぬ者』について】
●概要
フォルテラ聖王国内に存在する秘密組織。封印の聖女アティシア・ステラ・フォルテラは『大慈母神アティシア』がヒトの子らを直接救い導くために、ヒトの姿を取ってこの世界に降臨した存在であると信じており、『大慈母神アティシア』こそがこの地における唯一にして絶対なる女神であると崇拝している。
宰相(ファスナズ・オートゥモールド)の意向――といっても、当人曰く「する必要の無いアリバイ作り」程度の認識であるが――により組織としては法王庁管轄という体を取ってはいるが、その実態はあらゆる階級の如何なる権限も及ばない独立組織であり、また"それ"が実在することを知っている(接点がある)のは宰相のみであるため、法王庁からすれば「実在することすら知らない組織が一方的に自分のところの管轄であると言っているだけ」となり、そこに実際的な意味は何も無い。
"『大慈母神アティシア』が興し愛された、フォルテラ聖王国の平和と秩序の守護"を至上目的としており、それらを内から脅かす個人や集団を秘密裏に排除することを目的達成のための手段としている(外からの脅威に対しては"歴史の表舞台には立たない"という組織の方針に従い、輝聖騎士団に対処を委ねており基本的に不干渉。ただし、騎士団の力だけでは対処しきれないような事態に聖王国が陥った時は、歴史の表舞台に立って脅威に立ち向かうことを覚悟している)。

●組織構成
『耳』『目』『口』『手』『足』『筆』『刃』という七つの部隊で構成されており、部隊全てを統率する総長、総長の補佐役である副長、各部隊に所属する団員が存在する。この内、宰相が把握しているのは総長と副長の二名のみ(総長、副長、宰相のいずれかが代替りする度に宰相へ就任の挨拶(または新たな宰相との、自己紹介を兼ねた面会)をするのが決まりとなっているため)で、それ以外の団員や組織の詳細については一切把握していない。また、組織内においても総長と副長は全団員の詳細を把握しているが、団員達が知り得るのは副長までで総長について知っていることは何も無い。
『耳』は情報収集を担い、国内のありとあらゆる所に存在する団員達が様々な方法で一切の選別なく情報を収集する。
『目』は諜報活動を担い、集められた情報の中から要調査と判断された対象についてあらゆる角度から精査を行う。
『口』は伝令伝達を担い、『耳』が集めた情報を『目』へ、『目』の調査結果を『筆』へ、『筆』が立てた作戦内容を『手』『刃』へ……等、組織全体での情報の遣り取りを迅速かつ確実に行うための一切を取り仕切る。
『手』は裏方作業を担い、『刃』が聖務を遂行するために必要な道具の作成や、現場での事前工作(と必要であれば事後処理)を行う。
『足』は運搬業務を担い、資材の流通や道具の搬送、団員達の移動補助を行う。
『筆』は作戦立案を担い、『目』の諜報活動によって得られた情報を元に『刃』が聖務を遂行するための作戦を立てる。
『刃』は聖務遂行を担い、『筆』が立てた作戦を元にフォルテラ聖王国に仇をなす要因を排除する。

●拠点
『語られぬ者』の拠点は支部と本部があり、支部は聖王国全土にわたって幾つも存在し、それぞれに各部隊の団員達と彼等を統率する支部長が配属されている。
本部は聖都の近くにあるということは分かっているが、正確な位置については一切記録に残されておらず誰も把握していない。また、支部とは違い本部には直接外部と繋がる出入り口は存在せず、本部内に複数設置されているハイエルフの禁断の技術で作られた転移装置を用いて出入りする構造になっている。具体的には、内から外へは転移装置にあらかじめ設定された複数の座標(聖都近くの人目につかないところ)の中から自由に選択して出ることが出来る。そして外から内へ入る場合は、鍵となる特殊な魔力晶石を持った状態で入り口となる複数の座標(先述の座標とは別)のいずれかに立ち、決められた呪文を詠唱する必要がある。

●詳細
『語られぬ者』が結成されたのは聖都ヴァレンシア誕生から約百年後、当時はまだ明確な解釈が存在せず数多の教派とも呼べぬ未成熟な教えが乱立していた慈母神信仰を、体系だった一つの宗教として作り直し確固たる国教(後のフォルテラ正教)とするために、聖フォルテラ修道会(後の法王庁)という組織が設立された頃。
聖フォルテラ修道会の手によってゆっくりと、しかし着実に信仰の編纂が進められていたある日、『大慈母神アティシア』という女神の存在を定義し崇拝する、とある名も無き小集団が「アティシア・ステラ・フォルテラと慈母神を別の存在として捉えている他の冒涜極まる異教は根絶すべきだ」と決起し、目的の達成に向けての計画立案と決行のための準備を行い始める。それだけならば単なる狂信者達の妄想で終わっていたのだが、当時から既にこの小集団にはある程度の事であれば成し遂げてしまえるだけの力と執念が備わっていたため、数ヶ月にわたる準備が完了する頃には彼らの計画は洒落や冗談では済まない実現性を帯びるところまで行きついてしまう。
しかし計画決行の前夜、聖都の郊外にある遺跡で定期集会を行っていた彼らのところに何の前触れも無く、隠密や潜入といったあれこれが完膚無きまでに抜け落ちた堂々たる足取りで宰相ファスナズ・オートゥモールドが真正面から乗り込んでくるという事態が発生する。彼らの視点からはアティシア・ステラ・フォルテラに近しい存在でありながら、彼の者を敬い奉るものである筈の慈母神信仰に汚らわしい異教どもを取り込もうとする裏切り者である人物の登場に、速やかに排除せんと殺気立って侵入者を取り囲む小集団に対し、囲みの中央で足を止めた宰相は自分に対して向けられるむき出しの殺意に一切構わず迷いの無い口調で、この国のために君達の力を貸してほしいと前置き無しにいきなり自分の要求を告げる。そうして始まった、状況を完全に無視した相手からの爆弾発言ともいえる要求に唖然とする小集団と、いつでもどこでも揺ぎ無く自身の正しさを確信している宰相との交渉は、沈んでいた太陽が地平線の向こうからその姿を現し始める頃まで続き――やがて曙光の差し込まぬ遺跡内にて、小集団と宰相は互いに一つの誓約を交わし合う。

「宰相(あなた)がこの国を正しく守り続ける限り、我らは貴殿に干渉せず、貴殿を信認し、貴殿の望む力の在り方となろう。そして宰相(あなた)がこの国に仇をなした時は、我らが力は貴殿の首を切り裂く刃となろう」
「君達が道を踏み外さぬ限り、宰相(わたし)は君達に干渉せず、君達の行為に正義ありと認め、その栄光を讃えよう。そして君達が外道に落ちた時は、宰相(わたし)の責務として必ずや君達を痕跡も残さず殲滅しよう」

……こうして名も無き小集団であった彼らは、宰相の助力によって更なる力と新たなる在り方を得ることで、誰に顧みられることのない影と闇からフォルテラ聖王国を守護する存在――『語られぬ者』となる。



我が名誉は貴女の下に
我が穢れは我が魂に
我が聖務が記されることは無く
我が信仰が破られることは無し

(『語られぬ者』入団時に執り行われる誓約の儀式より抜粋)


** 投稿日時:2023.01.22 01:44 ** [ 編集 ]
[ 6 ]
By ツキユリ

【現副長について】
『語られぬ者』の現副長はマーロ・パルメテス・ケラウネロイという男性で、元々は『筆』所属の優秀かつ有名(色々な意味で)な団員。
ヒューリズィリーが総長に就任した後に推薦を受けて副長の座に就いたが、当人はそれについて組織が次の時代へと進んで行くのを補佐するための一時的な就任であると明言しており、相応しき者が現れればすぐに副長の座を譲るつもりでいる。
教養に富み、ユーモアを解し、人柄も良く、表の顔はフォルテラ聖王国で五指に入る大貴族パルメテス派の本家ケラウネロイの当主……と、絵に描いたようなパーフェクト紳士であるのだが、美的センス及びそれに関する思想が一般的な基準値を豪快に突き抜けており、周囲の者達に頭を抱えさせている。

「職を問わず勤勉なる生活を経て形成された肉体は、万人が愛でるべき芸術品、一つの美でおじゃる。
――なれば、衣服などというもので愛でるべき美を覆い隠すという行為は、美に対する不敬ではないのかとマーロは常々思っておるのじゃ」
「そうですか。衛兵に張り倒されるだけなので、屋敷の外では有言だけに止めて実行はしないでくださいね? 身柄を引き取りに行くのも面倒ですし」

** 投稿日時:2023.01.22 01:44 ** [ 編集 ]

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