第1回 21世紀新鋭詩文学グランド・チャンピオン決定戦


審査員選評



平川綾真智

応募作品
80 「コンクリーな案」岡部健志
傑作に化ける予感を十分に秘めている作品に感じました。
転換していく様相は身近な空の色彩から始まり隠喩的な感触と跳躍で意識を連れていきます。
 ぼくの手は汚れていて嫌な気分になった。
ここに息吹が吹きこまれていることに拍手を送りたいです。
 道路の真ん中では、サラリーマンがソーラン節を踊っていた。

 暫くして、はねられた。
の展開はもう少し丁寧でも良かったのかもしれません。
最後の
 空は青かった。

 空は青かった。
と一行目に戻り繰り返す部位はもっと他の言葉を探しても良いようにも感じました。
タイトルと共にもう少しだけ変化を付けると傑作に化けるのかもしれません。
興味深い作品でした。
ありがとうございました。


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平川綾真智

応募作品
84 「虐待を受ける子供たちへ」川瀬 僚
伝えたい物事はよく理解できました。
 好きな人を恨むなんてしたくない 悪いなんて言いたくない
 そう思うのでしょう

 もし好きな人が どこか悪いのなら 
 君が 生きて 育って 学んで 力をつけて 治してあげればいい
綺麗にまとまり収まり過ぎてしまっているようにも感じましたが、伝わりやすいのかもしれません。
虐待に関してもう少し精神的なアプローチをしていくと、膨らむのかもしれません。
伝える方法としてこれからを感じさせるものがあったように思いました。


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平川綾真智

応募作品
85 「約束」 川瀬 僚
死にたがりの私
のひたむきな気持ちが現実感からは少し浮遊した場所で、清涼に書いてあります。
 あの時の友達から君の記憶がポツポツと消えてきている。
からは感情が浮かび上がり、見事な箇所へと行きつこうとしている部位も多く見えます。
そこまでが少しだけ説明的になり過ぎていることを外したらもっと動いたのかもしれません。
 君は走るのが好きだった。
なのですが、
 生き急ぐ者は、与えられた時は短くて消えるのは一瞬。
ここにもう少し結んで放っても良かったのかな、と思えます。もう少しだけ点でつないでいくことが必要だったかもしれません。
そこから見えるものは素敵です。
間違いなく。
最後の綴りも含めて、説明的な部位を概念だけでなく、何か伝えたり放出したり、形にしたり匂わせたり背負わせたりすると、この詩は圧倒的なものになると思います。
寄り添いたくなる内実はありました。

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平川綾真智

応募作品
#94 「季節」  こんぺいとう 
誰もが探り当てる根が緩やかに描いてあります。
前半は心地良かったです。
 あたしはここにいる
から、もう一歩先へと綴りを歩ませても良かったのかもしれません。
 あたしはこころのなかにいる
 あたしを見送る
この部位というか脚への共感は引き出すものが奥にあるのだと思います。
引き出す表層を独自の綴りにしても面白いかもしれません。
根を大切にしながら、そこからどう進んでいくのかこれからを一緒に楽しみたくなりました。

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平川綾真智

応募作品
#95 「新しい古い」こんぺいとう  
感覚の中に良質なものが漂っています。
 あたしはやわらかい布団で自分を守る
などは最終連の硬質とも言える部位を探り当てて上手く情感を放っていると思います。
 この肌触りは子どものころから好きなこと
 あたりまえすぎて詠むこともなかった
などは、ひょっとしたら書かなくても伝わってくるものかもしれないな、とも感じました。
作者はこれから多くの優れた作品を書くと思いますので、その度驚かせて欲しいと少し嬉しくなります。

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平川綾真智

[キミの力に。]空木虹音
そのままの言葉が力を持つこともあるのかもしれないな、と思います。
 あの時キミに、アナタに
 何か声を掛けられたら
 何か変わっていたかもしれない。
そのままの叫びがきっといつか変化する時があると思うので、その時でも感触を思い出せるような綴りに化ける今後がとても楽しみになりました。

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平川綾真智

応募作品
#98 [心]空木虹音
解りやすく、そのままの文章が綴られている作品でした。
 強い。そう思っていた僕の心は

 弱かった。

 「僕は強いよ。」それは表面だけ。
良質なものが眠っているんだと思います。この書いてある内容をそのままのメモ書きではなく多角的な視点で捉えられるものに進んでいくと、きっと良質さは目を覚ますのだと思います。
独自の視点をどのように身につけていくのか、とても興味深くなりました。

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平川綾真智

【赤ん坊】Call
生まれてきた赤ん坊への思いが素直でとてもわかりやすい作品でした。
詩にするにはそれだけの感情があったのだと思います。
 こんなにも温もりを、ありがとう
で済まされないもののような気がして、この先を読みたいな、と感じもしました。
 一生は見守れない
の連を
 羽毛のように
のような比喩を使って書いても良かったのかな、とも感じました。
温かさが伝わってくる作品でした。

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平川綾真智

応募作品
102 「エーテル」 矢凪祐
書いてある内容はとても解りやすかったです。
言葉選びをする際に、少しだけ妥協したり、身近な言葉で済ませてしまったのかな、と感じる部分もありました。
 嗚呼 なんて自由だろう
 なんて孤独だろう
ここはもっと違う側面から書いても面白いのかな、と思います。
独自の言葉を見つけた時が楽しみだな、と感じました。


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平川綾真智

応募作品
#104 「欠片」 矢凪祐
詩に向けられた若々しさが穏やかな作品でした。
 このまま時だけが過ぎて
 空っぽになったら
 楽になれる?

 だから私は生きるの
などに特に感じたのですが、そのまま書いてしまうのは勿体無いかもしれません。
独自の視点などを見させてくれたらもっと面白くなるのかな、と思いました。

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