[1] デュランタ
By
06-26 09:58
 

枯れてしまえばいいのに

口に出した言葉は
いつまでも
谺(こだま)となって
わたしを責める

今年も同じ季節に
デュランタの木が
花をつけた

ゆらゆらと
気弱そうに彩られた藍
言葉のうち側を
辿る枝先

花びらの一枚一枚が
あの日の苛立ちと
決意を伝える
タイムカプセル

とどのつまり
頼りになるのは
あなただけで
お互いに それが
わかっていたという
秘めやかな証(あかし)

枯れてしまえばいいのに
わたしの中の
窮屈な女

台風一過の空は
よそよそしくて
不確かな
わたしの所在を
思い出させる

すっきりとした季節に
デュランタの花色が
青く深く
染み透ってくる



(2007/11/8“詩りとり”投稿作)

Mail
[Edit] [Add]
[←Back][Next→]


[←Room 202]


[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]