[1] 静かな空模様
By あみね
06-26 08:58
 
 
“アニマル柄もね、草食動物なら優しくなれるのよ”

ゼブラのブーツを鳴らし
君はステップを踏む

寒色系の静かな空色の空
白絵の具を
そっと滲ませたような雲が
視界高く映っている

“ゼブラよりもバクがいいよ”


君の誕生日には
バクを連れて
膨らみ続ける君の悪夢を
引き受けに行こう

あんたの言うことなんて
絶対に聞くものかと
君の肩が叫んでいるから
僕はバクの助けを借りる

君が怖がる黒い影を
全部たいらげて
青空の広がる原っぱを作ろう

君は君としての
道を作りやすいように
道標を立てて置く

“ずっと先まで明日に続く道”と。


駐車場を歩きながら
後ろからやって来る
アンバランスな靴音の
リズムを考える

僕がバクになるためには
弾けた君のリズムを
掴まえなければならないね


仄かに漂う梅の香り

車のキーを開け
空を仰ぐ
薄い飛行機雲が
横切っている

深呼吸をして
梅の香りを身体に満たし
君の到着を待つ

ゼブラのブーツを鳴らし
君はステップを踏む

車に乗り込み
僕はゆっくり
エンジンをかけた



(2007/2/12 10:33)
pc
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