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[1] 花冷え
そして
指の隙間から
こぼれおちてゆくものの
行方を
わたしは知らない
目線よりも
少しだけ高くで
懐かしい声が遠い
てのひら
柔らかく包みこむ
体温の空は
魚のように広く、
なだらかに泳ぐ
浮遊する午後の岸辺
声
寄せては帰す
波の狭間で
声の鳴る
燃やされた
地平線の向こう側の
白く
あたたかな内陸
花冷え
発芽する緑の呼吸
桜の裸体がいっそう
夜を美しく散らして
空に広がる指先の
凍えた隙間から
こぼれおちてゆくものたちの
かすれた声が鳴る
ざらついた 四月で
あなたが
少しだけ遠くなる花冷え
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