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[1] 可変の風
夜が明けているから
遠くの町や山がみえる
それまで燃やされていた木々も
今は静まりかえっている
起きている私が
しっている私が
日光と絡み合う朝が来た
きらきらと光りに靡いている
真っさらな仮面をつけている
この地獄のやうな風が
引きずり出されるか
塗りたくられるかして
だれかの口が開かれている
えぐり取られたかのように
粘膜質の空洞が広がっていて
そこから生え出ているのか
子供が生まれているのがみえる
その赤ん坊が歓声をあげる
私の血に風を起こそうとする
燃えてしまうのを
忘れているひとびとの
声に過ぎない
土を蹴りあげると
砂埃の粒が何百万という
小さな瞳に変わる
砕けては増えていく
無数の小さい瞳が
薄ら目をあけながら反射された
おのずからあらわれた朝を
見つめている
瞳は朝に刻まれた
点在するビヨンドに震えている
私の口はまだない
夕日すら口を開かないからだ
密生している高木が
お辞儀をしている
ビヨンドが点在している
掻きむしられた皮膚のうえに
浮き出る血しょうと同じような
あまりに肉体的なわたしの
身体の中にある点が
東から昇ってゆくのである
その美しさを風は表現しようと
誰かの口が開かれる
声の気流が風に変わる
私はそのとき朝になる
誰の耳にもいれてはならない
木々が日を浴びる事に
風が吹き付ける
葉脈はまるで人の口のように
口角をあげている
すぐに開くことが出来るくらい
それだから恐れているのだ
やはり誰かの口が生まれて
生まれた口からも生まれ始める
ひらひらと揺れるのは風の方で
たえず歓声があがる
朝日が燃えている
たえずどこかで朝日と呼ばれる
ひどく生血の匂いがするのは
赤ん坊の泣き声だろうか
浴びている日光やそれらが
口からはい出ようとし始める
その鼓動までもが聞こえている
私はひどく赤面していた
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