03/21 01:03

「釦」
ガラス玉

幼い頃、おばあちゃんの持つ裁縫箱に納められたボタンは、ちょっとした宝石箱でした。

小さな和箪笥が裁縫箱の変わりになっていて、上に小さな引き出しが2つ、あとの3段が横引き出し。

小さな引き出しのうち、右に針山、左に糸や針、指貫きに、ボビンケースといった小物。
一段目の引き出しには、洋裁用の物を入れていて、ミシン糸や、たちばさみ、ミシン針。
真ん中の引き出しには和裁の道具が入っていて、端切れやステッチ、未使用の糸、編物用の鈎針。
一番下の引き出しには、ボタンが収まってました。

白蝶貝や黒蝶貝に似せたボタン、プリズムの入ったプラスチックのボタン、リボンや蝶が描かれたボタン、白、赤、黒、青、水色、黄色…。
色採りどりのボタンが、プラスチックの容器の中で、輝いていて。

同じボタンがあれば、一つしか無いもの、小さな物、大きな物。

一個、一個並べて、夕日に透かして眺めるのが好きでした。


おばあちゃんはもういないけど。
今でもぼたんは、宝石箱みたいです。

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